当科の40歳以下の若年子宮内膜癌の割合は、1990~1999年は6.1%であったが、2010~2014年は10.0%と増加していた。画像所見が確認できた若年症例34症例中15症例(44.1%)において多嚢胞性卵巣が合併していた。子宮内膜癌の危険因子は、2つのカテゴリーからなる。第1は肥満、多嚢胞卵巣症候群を含む、過剰なエストロゲン状態であり、第2は遺伝性疾患である。今回、インスリン受容体遺伝子のHis 1058 C/T多型を解析し、Body mass index 20未満の日本人の多嚢胞性卵巣症候群症例の発症にインスリン受容体遺伝子のHis 1058 C/T多型が関与していることを報告した。
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