妊娠高血圧腎症(PE)の発症率は男児妊娠に比べ女児妊娠に多かったが、妊娠高血圧(GH)では差がなかった。なぜPEが女児妊娠で多いかを免疫学的に検討したところ、女児を妊娠している体格指数(BMI)の低い(やせた)妊婦および男児を妊娠しているBMIの高い(太った)妊婦においてヘルパー1型T細胞(Th1)優位になりやすいことがわかった。また疫学的に検討したところ、女児を妊娠しているBMIの低い(やせた)妊婦ほどPEの発症率が高く、BMIが高くなるに従い、女児優位の傾向がなくなった。疫学的にも免疫学的にもGHとPEとは異なる疾患であることから、それらの発症予防には異なる治療戦略が必要である。
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