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2012 年度 実施状況報告書

凍結保存した除核IVM卵を用いた体細胞核移植胚由来ES細胞の作出

研究課題

研究課題/領域番号 24592466
研究種目

基盤研究(C)

研究機関山梨大学

研究代表者

深澤 宏子  山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (60362068)

研究分担者 平田 修司  山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (00228785)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード体細胞核移植 / 未熟卵 / 成熟培養 / ntES 細胞 / 再生医療
研究概要

未熟卵子の体外成熟 (IVM) による体細胞核移植用の未受精卵子の作出に関する研究
未受精卵の採取において、ヒトでは排卵誘発を行わないことを想定しているため、排卵誘発剤を投与していないマウスの卵巣より卵核胞期 (GV 期) 卵と卵丘細胞の副五体の状態で実体顕微鏡下に単離し、体外成熟培養に供した。さらに卵丘細胞の増殖を促進する羊膜成分抽出物をコーティングしたディッシュを用い、培養液の組成等を改良し、より多くの成熟卵が得られる条件を決定した。この組織培養液内で 17 時間、未成熟卵の体外成熟培養を行って第二減数分裂中期 (MII 期) まで成熟させたのち、ヒアルロニダーゼ処理して卵丘細胞を除去し、成熟卵を選別した。この成熟卵を除核して体細胞核移植により得られた再構築胚を発生させ、その発生能の検討を行った。
マイクロマニピュレータを用いて、得られた MII 卵の除核を行い、体細胞核を移植して得られた再構築胚を 5 日間程度培養し、胚盤胞への発生率を検討した。胚盤胞への発生率は非 IVM 卵を用いた場合より低かったが、この胚盤胞から得られた ES 様細胞を用いて、キメラマウスの作出が可能であり、その一部のキメラマウスではこの細胞の生殖系列への移行も確認できたため、この細胞は ntES 細胞と証明できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

未熟卵子の体外成熟により体細胞核移植用の未受精卵子を作出し、体細胞核移植胚由来の胚性幹細胞が得られることが確認できたことから、この細胞を将来的に再生医療の細胞ソースとし得る可能性が示された。今後、この IVM 卵を除核し凍結―保存―解凍してさらに体細胞核移植を行って、ntES細胞が得られれば、除核 IVM 卵バンクの実現へ向けての一歩となると考える。

今後の研究の推進方策

IVM卵の細胞質に体細胞核移植を行った再構築胚が発生し、体細胞核移植胚由来の胚性幹細胞 (ntES 細胞) と確認できたことから、次年度には、さらに培養条件 (培養液、添加生理活性物質、培養時間) を詳細に検討し、体外成熟 MII 期卵が、体内で成熟した MII 期卵と遜色ない細胞質機能を有するような条件を見いだす。また、あえて MII 期まで成熟させなくとも、第一減数分裂中期 (MI 期) もしくはその前後の段階の未熟卵子でも、体細胞核移植に供することができる可能性もあるので、この点についても検討する。さらに得られた ntES 細胞の染色体の構造解析をSKY法を用いて検討する。臨床的にも、未受精卵の凍結技術は進んでおり、これらを参考に除核未受精卵の凍結保存に関する研究を進める。それにより凍結ならびに解凍の条件を詳細に検討し、凍結―保存―解凍した除核未受精卵を用いた体細胞核移植胚において、非凍結卵子を用いた場合により近くなる条件を確定し、この条件下で、除核 IVM 卵を凍結―保存―解凍して体細胞核移植に供し、ntES 細胞の樹立を試みる。

次年度の研究費の使用計画

該当無し

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 体外成熟卵を用いた ntES 細胞の作出2012

    • 著者名/発表者名
      深澤宏子、下地彩乃、平田修司
    • 学会等名
      日本産科婦人科学会学術集会
    • 発表場所
      神戸ポートピアホテルおよび神戸国際展示場(神戸市)
    • 年月日
      20120413-20120415

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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