研究課題/領域番号 |
24592467
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
内田 季之 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (90570234)
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研究分担者 |
金山 尚裕 浜松医科大学, 医学部, 教授 (70204550)
伊東 宏晃 浜松医科大学, 医学部附属病院, 教授 (70263085)
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キーワード | 銅 / 亜鉛 / 胎盤通過性 / 胎児発育 |
研究概要 |
研究目的は妊婦への亜鉛の影響である。亜鉛は銅と拮抗作用があり亜鉛投与によって銅が低下する可能性がある。微量元素は胎児発育、造血に関与すると考えられているが銅について妊婦と胎児の濃度の関連について詳細は明らかではない。今回銅の母体血清濃度と臍帯血濃度との関係について検討した。同意の得られた妊婦15名の分娩前1週以内と臍帯血を採取し血清銅、亜鉛、鉄を測定した。対象となる妊婦は単胎で正期産で2,500g以上の児を分娩したものとした。母体血清濃度と臍帯血の関係は臍帯血/母体分娩前比(UM比)として1以上は胎盤通過性が高いと考えた。妊婦15名の平均年齢は35歳、平均分娩週数は38週、平均出生体重は2,827gであった。分娩前平均血清濃度は銅228μg/dl、亜鉛61.9μg/dl、鉄101μg/dl、平均臍帯血濃度は銅25.4μg/dl、亜鉛84.7μg/dl、鉄196μg/dlであった。亜鉛と鉄は有意に臍帯血濃度で上昇し、銅は低下していた(p<0.05)。UM比は銅は0.113、亜鉛1.400、鉄2.580であった。銅と結合するセルロプラスミンを測定したところ、母体血、臍帯血においても銅との比は有意差を認めず、セルロプラスミンは胎児においても銅輸送の主体と考えられた。鉄、亜鉛は母体血から胎盤を経て胎児に多量に供給され母体血清濃度が低下するが、銅は鉄、亜鉛とは逆に妊娠中は非妊時より高値、臍帯血濃度は非常に低値となり胎盤は微量元素を選択的に透過する機能を持ち合わせていると考えられる。胎盤の亜鉛、銅の選択的透過システムについて基礎的研究にて検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床上、同意を得られた症例での検討になり十分な症例数が集まらなく、基礎的研究が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
胎盤の亜鉛、銅トランスポーターの解析により、胎児と母体で異なる微量元素の関係をさぐり、銅が胎盤通過せず母体で高濃度を保つシステムを検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
検体採取数が予定より少なく、検討項目が減少したため。 検体数を増やすことで検討項目を増加させる。
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