研究課題
多施設での共同研究を行い、妊婦に対する亜鉛投与の現状についてまとめた。妊娠初期、中期、後期、産褥で亜鉛添加胃潰瘍治療薬を妊娠貧血症例に鉄剤とともに処方を行った。ヘモグロビン10.0g/dl未満を貧血の基準として投与期間は1-4週間とした。外来処方例では亜鉛添加胃潰瘍治療薬投与の半数が妊娠中の貧血に対するものであった。入院処方例(症例数157)では36%が妊娠貧血、28%が正常分娩後の貧血、17%が帝王切開後の貧血であった。亜鉛添加胃潰瘍治療薬投与では1例のみ胃部不快感を認め脱落したのみであった。亜鉛添加胃潰瘍治療薬は鉄剤内服のコンプライアンスを上昇、貧血の改善をさせる率が鉄剤単剤に比較し有意に上昇させた。有意差はみられなかったが数値は出生体重を増加させていた。亜鉛の抗炎症作用についての研究を行った。好中球浮遊液に化学発光物質を添加してから炎症性物質を加えスーパーオキサイドを発生させ分析を行った。好中球浮遊液に塩化亜鉛を1μmol/L以上の濃度を展開すると明らかにスーパーオキサイドの発生を抑制させた。羊水混濁、羊水過少による人工羊水補充療法の際に抗炎症作用を有する人工羊水の組成として期待できる。
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