研究課題/領域番号 |
24592473
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
松崎 利也 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (70294692)
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研究分担者 |
苛原 稔 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20160070)
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キーワード | ペプチド / 排卵誘発 / 排卵障害 / ゴナドトロピン / GnRH / 多嚢胞性卵巣症候群 / レトロゾール |
研究概要 |
1. 目的: 排卵障害のモデルラットとして、昨年度に多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)のモデルラットをレトロゾールで誘発して作製した。今年度は、そのPCOSモデルラットの内分泌的検討を行った。 2. 方法: Wistar系成熟雌ラットを用い、3週齢にレトロゾール除放ペレット (0.4mg/日で溶出) (L群、n=9)、またはコントロールペレット(C群、n=10mg)を背部皮下に留置した。連日の腟スメア、体重推移を検討し、12週齢で卵巣および子宮重量、卵巣組織、血中ホルモン、視床下部 Kiss1 mRNA発現を検討した。 3. 結果: ①発情周期:C群は4~5週齢で最初の発情期が見られ、6~7週齢以降は4~5日の規則的な発情周期を示した。L群は、発情が休止を維持していた。②体重:L群は、6週齢以降体重が有意に重かった。③卵巣および子宮重量:L群の卵巣は有意に重く、子宮は有意に軽かった。④卵巣形態:L群では多数の嚢胞性の卵胞が見られ、顆粒膜層は薄く、黄体は見られなかった。⑤血中ホルモン:L群ではT、レプチンが有意に高く、Eは有意に低かった。また、LH が有意に高く、FSH はC群と有意差がなかった。⑥視床下部Kiss1 mRNA発現:前方ブロックではC群と差がなく、後方ブロックでは有意に高かった。 4. 結論:レトロゾール誘発PCOSモデルラットでは、LH過剰分泌に弓状核KNDyニューロンにおけるキスペプチンの発現亢進が関与していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
排卵障害の動物実験モデルを確立し、内分泌的検討を行った結果、このモデルの排卵障害に中枢神経ペプチドの異常が関与していることが確認できたため。
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今後の研究の推進方策 |
排卵障害の動物実験モデルに対し、中枢神経ペプチドの発現を調節するペプチドを投与して排卵誘発を行い検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験に失敗することも少なく、スムーズに行われたので物品購入が少なくなった為。 平成25年度に予算執行しなかった1,764円を平成26年度の消耗品に繰り入れ、試薬などの購入に充てる。
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