研究課題/領域番号 |
24592478
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
杉浦 真弓 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30264740)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | recurrent pregnancy loss / recurrent miscarriege / Factor XII / Annexin A5 / Protein S / Factor V Nara / R2 haplotype / PGD |
研究実績の概要 |
264人の原因不明不育症患者と195人の健常女性にアネキシンA5の遺伝子多型を調べたところ、横断研究ではSNP5が危険因子であることが確認された。次回妊娠においてrisk alleleの有無で出産率の差がないことも明らかになった。279人の原因不明不育症患者と100人の健常女性に凝固第XII因子活性と46CT遺伝子多型を調べたところ、ループスアンチコアグラント陽性では活性値が約20%低下することがわかった。それらを除外して検討すると、CT genotypeが危険因子であることが世界で初めて明らかになった。しかし、次回妊娠についてrisk alleleの有無、活性値によって出産率の差がないことが明らかになった。不育症は多因子遺伝によって起こるが、臨床的には個々の遺伝子や血中レベルを測定する必要がないことを明らかにした。 88人の習慣流産患者と97人の健常女性に凝固第V因子活性とNara変異、Hong Kong変異、R2 haplotypeを調べた。習慣流産患者で活性値高値、低値の患者が存在し、R2変異のいくつかが危険因子である可能性が示された。279人の原因不明不育症患者と100人の健常女性にProtein S活性とPS徳島変異を調べた。現在解析中である。 染色体近郊型転座に起因する習慣流産患者のうち着床前診断PGDを受けた37人と自然妊娠を選択した52人の帰結を調べた。PGD群では流産率は低下したが、累積生児獲得率は67.6%、65.4%と差を認めなかった。 10回以上の難治性習慣流産患者に対する全エクソンシークエンスが終了し、新規の変異について確認を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画したすべての研究が予定通りである。
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今後の研究の推進方策 |
Protein S活性値が検体不良と思われる症例の再検査を行って、解析、論文執筆予定。 全エクソンシークエンスの候補遺伝子を確認し、機能解析もしくは8回程度の流産患者について調べる予定。
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備考 |
習慣流産・不育症の皆さんへ http://www.med.nagoya-cu.ac.jp/obgyne.dir/group_huiku.html
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