不育症の免疫学的背景解析のため、マウスの流産モデルを用いて研究を行った。食肉類を宿主とする寄生虫Dirofilaria immitis由来のタンパク抗原(rDiAg)には免疫調節効果があり、流産を抑制するためマウスを宿主とする寄生虫Nippostrongyls brasiliensisの抽出物でも同様に検討を行ったが、流産抑制効果は見られなかった。制御性T細胞(Treg)は妊娠免疫寛容に重要であるが、rDiAgと柴苓湯を投与したマウスにおける検討では、Tregの変動は見られなかった。妊娠子宮内の免疫担当細胞の詳細な検討の結果、Treg以外の制御性細胞の存在が示唆された。
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