研究課題/領域番号 |
24592486
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
山本 樹生 日本大学, 医学部, 教授 (40167721)
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研究分担者 |
千島 史尚 日本大学, 医学部, 准教授 (50277414)
久野 宗一郎 日本大学, 医学部, 助教 (30350002)
市川 剛 日本大学, 医学部, 助教 (80599994)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 妊娠高血圧症候群 |
研究概要 |
PlGFは絨毛で産生される絨毛増殖を促す因子である。また、sFlt1はVEGF やPlGFの流血中に存在するsoluble receptorでありVEGF, PlGF の作用をブロックする蛋白である。 妊娠高血圧腎症(Preeclampsia:PE)末梢血ではfreePLGF蛋白濃度が低下し、sFlt-1蛋白濃度が増加している。PEでは胎盤床での絨毛細胞のらせん動脈への浸潤が阻害されている。これより胎盤の血液循環が障害され、胎盤が慢性的な虚血・低酸素状態になる。低酸素応答分子としてHypoxia inducible factor-1 (HIF-1)、Metal-responsive transcription factor (MTF-1)、Heme Oxygenase-1(HO-1)がある。PE胎盤では低酸素状態に対応して低酸素応答分子が作用している可能性がある。このため胎盤におけるPLGFおよびsFlt-1 mRNA、一方 MTF-1, HO-1, HIF-alpha mRNAを測定しこれらの関係を検討し、胎盤におけるPLGFおよびsFlt-1 mRNAの発現に及ぼす低酸素応答分子との関係を検討した。 方法 胎盤におけるPLGF,sFlt-1, HIF-1α,MTF-1、HO-1mRNAの測定をquantitative real-time PCR法により行い検討した。結果 胎盤からのPlGFmRNAの発現量はPE群で有意な低下を、sFlt-1mRNAの発現量は有意増加を示した。MTF-1mRNA、HO-1mRNAは有意な低下を、HIF-1αmRNAは有意差を認めなかった。胎盤におけるPlGFmRNAとMTFmRNA、PlGFmRNAとHO-1mRNAの発現量は正の相関を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
胎盤におけるPLGFおよびsFlt-1 mRNAおよHIF-1α,MTF-1,HO-1mRNAの測定は可能であった。測定に関しては達成できた。免疫組織化学的検討も施行中である。
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今後の研究の推進方策 |
胎盤におけるPLGFおよびsFlt-1 mRNAおよHIF-1α,MTF-1,HO-1mRNAおよび蛋白の発現と病態との関係の検討を予定している。 ヒト胎盤絨毛、ヒト正常絨毛細胞培養系での検討を行う。これらによりPE患者血清因子の絨毛細胞よりのPlGF,sFlt-1蛋白産生、mRNA発現に対する影響、さらに低酸素応答分子HIF-1α,MTF-1,HO-1mRNAの測定をquantitative real-time PCR法にて行い、PE患者血清のこれらの細胞におけるPlGFおよびsFlt-1蛋白産生、 mRNAの発現および低酸素応答分子の発現への影響を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
胎盤におけるPLGF,sFlt-1, HIF-1α,MTF-1、HO-1mRNAの測定にTagManプローブkit、 TagManRT-PCR試薬、 GAPDH,PlGF,Flt-1,MTF-1, HO-1, HIF-alpha primerを使用する。 胎盤分離培養に培養液を使用する。 PlGF,sFlt-1蛋白測定にELISAキット使用する。
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