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2013 年度 実施状況報告書

子宮頸管リモデリング制御におけるプロゲステロンシグナリングの作用分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 24592488
研究機関日本医科大学

研究代表者

桑原 慶充  日本医科大学, 医学部, 准教授 (40373013)

研究分担者 片山 映  日本医科大学, 医学部, 助教 (10333113)
中井 章人  日本医科大学, 医学部, 教授 (20227721)
川端 伊久乃  日本医科大学, 医学部, 講師 (20328793)
竹下 俊行  日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60188175)
キーワード頸管熟化 / 早産予防 / プロゲステロン / 細胞外マトリクス
研究概要

陣痛発来前の予定帝王切開時に採取した子宮頸部線維芽細胞より初代培養系を確立。エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、Toll様受容体4 (TLR4)の発現をリアルタイムPCR解析で確認した。LPSにより、IL6,IL8のmRNAの誘導、培養液中への分泌を、リアルタイムPCRおよびELISAにて確認した。
この系を用いて、LPS and/orプロゲステロン添加/非添加の条件で12, 24時間培養し、mRNAを抽出し、PCR アレイ解析、及びリアルタイムRT-PCRにより、細胞外マトリクス関連分子およびLPSの作用するToll様受容体4 (TLR4)の発現動態を解析した。
細胞外マトリクス関連分子をターゲットとしたPCRアレイ解析により、LPS(2.0μg/ml)により発現が増加し、プロゲステロン添加(1.0μM)により発現が抑制される分子群の抽出を行った。続いてリアルタイムPCR解析を行った結果、LPS (2.0μg/ml)の添加によりMMP-1, MMP-3, MMP-9が有意に発現誘導され、(n=3, MMP-1 12 h p<0.005, 24 h p<0.0005, MMP-3 12 h p<0.005, 24 h p<0.000005, MMP-9 12 h p<0.005, 24 h p<0.005),この変化はプロゲステロンの添加により有意に抑制された(n=3, MMP-1 12 h p<0.05, 24 h p<0.05, MMP-3 12 h p< 0.05, 24 h p< 0.01, MMP-9 12 h p< 0.05, 24 h p< 0.05)。また、プロゲステロン投与によってTLR4の発現には有意な変化を認めなかった。
プロゲステロン経膣的投与による子宮頸管局所濃度の増加は、TLR4の下流シグナルに作用し、子宮頚部維芽細胞より産生されるMMP群を転写レベルで抑制する事により、頸管リモデリングを制御し、早産予防に寄与している可能性が示唆される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

診療とは関係なく臨床検体を別途採取するため、患者からの同意を取れない場合が多く、研究推進の迅速性に影響した。

今後の研究の推進方策

プロゲステロンがターゲットとするTLR4シグナリングの下流の分子を同定し、特異的分子誘導剤や阻害剤を用いた解析進める。PCRアレイ解析において、フォーカスされている他の細胞外マトリクス関連分子についても、個々に解析を進める。一方で、線維芽細胞培養系を用いたフォーカスドプロテオミクスにより、LPSにより誘導されプロゲステロンにより調節を受ける分子群を蛋白レベルで網羅的に解析する。マウス早産モデルに、同定された標的分子やシグナル伝達経路に特異的な誘導剤/阻害剤を投与し、早産誘導あるいは予防への効果を判定する。以上の結果を統合し、頸管リモデリング制御におけるプロゲステロン作用メカニズムの詳細を解明するとともに、新しいシグナル分子標的治療の開発を視野に入れた早産予防戦略の礎とする。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度はPCRアレイで得られた知見をもとに、個々の分子の転写レベルでの解析を先行させた。そのため、当初予定していたプロテオミクス解析は次年度に持ち越されることとなり、その分の諸経費が差額として生じた。
フォーカスドプロテオミクス解析に用いる、蛍光試薬、ドライストリップなどの購入に充てる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] プロゲステロンは、ヒト子宮頚部線維芽細胞培養系においてTLR4誘導性のMMP群の発現を転写レベルで抑制する2014

    • 著者名/発表者名
      桑原慶充, 米澤美令, 渡邉建一郎, 小野修一, 大内望, 澤倫太郎, 中井章人, 竹下俊行
    • 学会等名
      第50回日本周産期・新生児医学会学術集会2014
    • 発表場所
      舞浜
    • 年月日
      20140713-20140715

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公開日: 2015-05-28  

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