研究課題/領域番号 |
24592491
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
石塚 文平 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (80097336)
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研究分担者 |
伊藤 正則 東京医科歯科大学, 教養部, 教授 (30257349)
高橋 則行 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 研究技術員 (80267450)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 卵巣 / FMR1 / 早発卵巣不全 |
研究実績の概要 |
正常動物卵巣でのFMR1発現量および発現部位について解析を進め、これらの結果を論文として発表した。また、正常マウスとFMR1遺伝子欠損マウスの卵巣および生殖機能について比較解析を進める研究に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
正常動物およびFMR1遺伝子欠損マウスを用いたFMR1の機能と生殖との関連についての研究を進めてはいるが、FMR1 premutation遺伝子導入マウスの作製に手間取っている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の成果でFMR1が特定時期の卵で強く発現することが明らかとなった。このことから、FMR1は減数分裂過程でステージ特異的に何らかの役割を果たす可能性がある。そこで、どのような作用機序でFMR1が減数分裂に関与するのかを具体的に明らかにしていく。 FMR1 premutation遺伝子導入マウスの作製を急ぎ、それらの動物の解析を進めていく。その一方で、確実に入手可能な正常動物および現在継代保持するFMR1ノックアウト動物の生殖について比較検討を可能な限り進め、本研究の根本的な目的である『FMR1が生殖に及ぼす影響』を調べていく。これまでFMR1遺伝子の欠損マウスにおいて、母親の喰殺および育児放棄により成体まで成長する仔の数が優位に減少すると実験補助員から報告されていたが、研究代表者および研究分担者により精査した結果、いずれも正常動物と大差ないことが分かった。しかし、FMR1遺伝子欠損マウスに大音量などの負荷をかけると、異常な神経症状を来したりすることから、ストレスにより生殖行動の異常が引き起こされる可能性がある。そこで、母性の発動に大きく影響する、妊娠初期の神経再生に負荷をかけ、正常動物とFMR1遺伝子欠損マウスの育児行動に差異が見られるか、そこを増強する母性を司るホルモンのひとつであるプロラクチンを妊娠期・育児期に投与することにより、行動異常が軽減するかどうかを検討していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
FMR1 premutation遺伝子導入マウスの飼育維持とそれに伴う実験のための費用がかからなかったため
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次年度使用額の使用計画 |
これまでの遅延分を補うべく、必要な物を適宜購入する。費用のほとんどはチップ・チューブなどの消耗品に充てる。その他としてFMR1 premutation遺伝子を導入した動物の飼育、それらの動物の卵巣および入手できればヒト卵巣でのFMR1発現量・発現部位を解析するために必要な試薬・器具・キットの購入を考えている。また、本年度の成果で明らかとなったFMR1タンパク質のさまざまなステージの卵での細胞内情報伝達系および遺伝子転写調節機能の解析に必要な試薬・キット類の購入も必要である。
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