研究課題/領域番号 |
24592493
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
下屋 浩一郎 川崎医科大学, 医学部, 教授 (40291950)
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研究分担者 |
中井 祐一郎 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (50271193)
福家 信二 川崎医科大学, 医学部, 講師 (50333696)
張 良実 川崎医科大学, 医学部, 講師 (70565910)
冨松 拓治 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (30346209)
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キーワード | 酸化ストレス / 抗酸化力 / 子宮収縮 |
研究概要 |
子宮収縮は妊娠維持機構と陣痛発来(子宮収縮)機構の2つのバランスで制御されている。妊娠の成立過程から分娩に至るまで胎児成分である絨毛組織と母体組織である脱落膜・子宮筋層との連関が妊娠の維持にとって重要である。免疫担当細胞の活性化やそれに伴う過剰な酸化ストレスやその消去系・防御系の破綻が子宮収縮制御機構に及ぼす影響と病態に関して解析を行うことを目的とした。なお、研究にあたって倫理委員会の承認を得て研究を遂行した(課題番号482-2,1193)。抗酸化力(BAP)および酸化ストレス(d-ROM)について測定すると子宮内感染があり、子宮収縮も認められた(A)母体血中d-ROMは789.5 U.CARR、子宮内感染がなく、子宮収縮が認められた(B)母体血中d-ROMは667 U.CARR、子宮内感染がなく、子宮収縮も認めらない(C)母体血中d-ROMは610 U.CARRであり、非妊娠時の標準値200~300 U.CARRに比べて高値であり、子宮収縮および子宮内感染と相関した。一方、臍帯血中のd-ROMはそれぞれ97.5、123、83U.CARRであり、子宮内感染・子宮収縮との関連は認められず、成人に比べて低値であった。一方、(A)母体血中BAPは1540μmol/l、(B)母体血中BAPは1593μmol/l、(C)母体血中BAPは1215μmol/lであり、子宮内感染・子宮収縮との関連は認められず、抗酸化力は低いレベルにあった。一方、臍帯血中のBAPはそれぞれ2587、2603、2363μmol/lであり酸化力は高いレベルにあった。子宮内感染・子宮収縮と酸化ストレスに関連を呈しており、現在、子宮筋に対する酸化ストレスの直接的影響について解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
子宮収縮に及ぼす酸化ストレス及び抗酸化力の影響に関して解析を行って一定の成果が得られている。また、酸化ストレス関連因子の妊娠中の変化についても解析を開始している。これらの解析はおおむね順調に推移していると考えられる。母体ストレスに関する検討においても昨年度の検討をもとに論文を作成しており、この点においても概ね順調に推移していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
研究に関しおおむね順調に推移しており、さらに臨床検体を用いた検討を加速させていく方針である。また、子宮筋なあびに細胞株を用いた子宮収縮直接作用の解析を開始する。ストレス定量に関する解析においても母体の様々な心的要因・行動様式との関連を含めた解析を行って現在論文投稿中であるが、さらに産褥期における母体ストレス解析についても検討を開始している。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究が順調に遂行され、一部残金が残る見込みとなったため、次年度への繰り越しを行った。 予定通り、次年度助成金と合わせて研究を遂行する予定である。
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