低出生体重児では学童期の学習障害や行動障害の頻度が高いことが指摘されているが、胎児期の低栄養環境と出生後の精神発達障害の関連性は不明な点が多い。本研究は胎児期の低栄養環境と精神発達障害の関連、及びその機序を明らかにし、予防法や治療法の確立につなげることを目的とした。本研究では、妊娠中期~出産後1週間の母獣にカロリー制限を加える子宮内発育遅延(IUGR)モデルマウスを用いて、神経・精神発達への影響について検討した。コントロールと比較してIUGRにおいて、運動協調発達の遅延、不安行動の増加、即時記憶または空間学習における記憶障害を示す結果が得られた。シナプス機能変化がその原因の1つと思われる。
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