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2013 年度 実施状況報告書

婦人科悪性腫瘍の形質に与えるRNA結合蛋白質ZFP36の役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24592497
研究機関北海道大学

研究代表者

保坂 昌芳  北海道大学, 大学病院, 助教 (20374390)

研究分担者 渡利 英道  北海道大学, 大学病院, 講師 (10344508)
櫻木 範明  北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70153963)
キーワードZFP36 / HPV / cervical cancer / IMP3 / CIN
研究概要

RNA結合タンパクの一つでRNAの分解に関与していることが報告されているZFP36の子宮頸癌の進展過程における発現変化の有無を検討するために、正常扁平上皮、頸部上皮内新生物(SIL)、浸潤癌の臨床検体において免疫組織化学的手法を用いて発現を解析した。その結果、正常扁平上皮組織、頸部上皮内病変(SIL)、浸潤癌組織におけるZFP36の発現を比較すると、正常上皮から浸潤癌への進展過程でZFP36の発現が減弱する傾向が確認された。同時に子宮頸癌の進展過程でその発現が亢進することが報告されているIMP3についても同様に検討した結果、ZFP36とは反対に悪性化に伴い発現が亢進していることが確認された。したがって、子宮頸癌の進展過程においてはZFP36とIMP3の発現との間には負の相関があり、そのバランスによって発癌までの期間が規定されることが推測された。しかしながら、子宮頸癌の発現過程においては、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が重要であること、HPVの型別に進展リスクが異なることも報告されていることから、現在、同一個体においてHPVの感染状況と病変の消退、進展が明らかとなっている症例について、ZFP36、IMP3の発現と病変の進展、消退との関連について検討しているところである。
さらに、ZFP36の子宮頸癌の進展に関与するZFP36の機能解析を行うために、ZFP36の発現ベクターの構築を行い、子宮頸部細胞株(Caski、SiHa、C33A)に導入して安定してZFP36を過剰発現しているクローンの樹立を試みているところであり、対照クローンとの間での形質の差異について検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

初年度の遅れがあったため、それに応じてやや遅れていると考えている。

今後の研究の推進方策

ZFP36安定過剰発現クローンを子宮頸癌細胞株を用いて樹立して、対照クローンとの間で生物学的特性を比較することで、子宮頸癌の発癌過程におけるZFP36の意義を示す。
また、多数の臨床検体を用いた解析を行うことで臨床的意義について示すことができると考える。

次年度の研究費の使用計画

残額が少なく、必要な試薬の購入のためには不足していたため次年度に繰り越しとした。
次年度の予算と合わせてすべて消耗品の購入に充てる予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Multivariate prognostic analysis on the patients with adenocarcinoma of the uterine cervix treated with radical hysterectomy and systematic lymphadenectomy.2013

    • 著者名/発表者名
      Kato T, Watari H*,Takeda M, Hosaka M, Mitamura T, Kobayashi N, Sudo S, Kaneuchi M, Kudo M, Sakuragi N.
    • 雑誌名

      Journal of Gynecologic Oncology

      巻: 24 ページ: 222-228

    • DOI

      10.3802/jgo.2013.24.3.222.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 子宮体がんにおけるリンパ節郭 清術の意義とその手技2013

    • 著者名/発表者名
      保坂昌芳、金内優典、渡利英道
    • 雑誌名

      産婦人科の実際

      巻: 62 ページ: 39-43

  • [雑誌論文] Incidence risk of cervical intraepithelial neoplasia 3 or more severe lesions is a function of human papillomavirus genotypes and severity of cytological and histological abnormalities in adult Japanese women.2013

    • 著者名/発表者名
      Hosaka M, Fujita H, Hanley SJB, Sasaki T, Shirakawa Y, Abiko M, Kudo M, Kaneuchi M, Watari H, Kikuchi K, Sakuragi N.
    • 雑誌名

      International Journal of Cancer

      巻: 132 ページ: 327-334

    • DOI

      10.1002/ijc.27680.

    • 査読あり
  • [図書] OGS Now 13機能温存の手術―疾患治療と妊娠・性機能の予後に配慮して―2013

    • 著者名/発表者名
      渡利英道、保坂昌芳、櫻木範明
    • 総ページ数
      168
    • 出版者
      メジカルビュー社

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公開日: 2015-05-28  

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