研究課題
子宮内膜將液性腺癌(USC)細胞株USPC1から樹立したパクリタキセル(PTX)、シスプラチン(CDDP)、アドリアマイシン(ADM))それぞれの耐性株を用いて研究を行った。前年度の網羅的解析の結果から、親株と比較し耐性株において薬剤の暴露期間に比例して発現の減少を認めたマイクロRNA let-7cに対象を絞って解析を行った。親株USPC1にlet7c inhibitorをトランフェクションしたところPTX感受性およびCDDP感受性が低下したが、ADRの感受性は変化を認めなかった。さらに、let-7c precursorを耐性株にトランスフェクションしたところ、PTXとCDDPに対する薬剤耐性が増強し、ADRの耐性には影響を与えなかった。以上より、let7cがPTXとCDDPの薬剤耐性獲得に関連していることが明らかになった。let7cのtarget解析からHMGA2を標的遺伝子候補として引き続き研究を行った。PTXおよびCDDP耐性株にlet-7c precursorをトランスフェクションしたところ、HMGA2の発現が有意に減少した。また、薬剤排出トランスポーターの発現とlet7cとの関連を解析した。PTXおよびCDDP耐性株にlet7c precursorをトランスフェクションし、4つの薬剤排出トランスポーターABCB1、ABCC1、ABCC2、ABCG2の発現をqRT-PCRにて確認したところ、ABCC1の発現が有意に減少していることを明らかにした(PTX耐性株: p=0.040、CDDP耐性株: p=0.020)。以上の結果から、USC薬剤耐性獲得にはlet7cが関与しており、その標的遺伝子がHMGA2とABCC1であることが示唆された。
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