研究課題
Keap1またはNrf2の遺伝子変異は両者の相互作用を妨げ、酸化ストレス応答遺伝子の発現は亢進する。これらの変異から生じるシグナル伝達の異常は癌の化学・放射線療法抵抗性獲得に寄与していることが指摘されている。本研究課題において、子宮内膜癌でのkeap1およびnrf2遺伝子変異を発見するとともに、化学・放射線療法抵抗性獲得に関わるKeap1遺伝子のSNP変異を同定した。さらに、25年度ではパイロット的にKeap1遺伝子のメチル化の可能性を示した。26年度では子宮内膜癌細胞株においてKeap1遺伝子のメチル化が亢進していることを確認したが、これまでの成果に矛盾無い結果であった。また、Keap1遺伝子の in vivo での薬剤耐性化への関与を明らかにするために、担癌マウスモデルおよび移植用ヒトKeap1 高発現子宮内膜癌細胞株の作製を試みた。その結果、ヒトKeap1 発現ベクターの作製に成功した。しかしながら、Keap1を安定的に発現する子宮内膜癌細胞株を作製することは困難であることが判明した。そこで、子宮内膜癌において細胞増殖、進展、浸潤のカギとなるmicroRNAの網羅的スクリーニングを行った。MIR-34bを候補遺伝子とするまで絞り込み、薬剤耐性との関連性、Nrf2-Keap1経路との関連性について検討中である。
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