研究課題/領域番号 |
24592504
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
三橋 暁 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40302541)
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研究分担者 |
錦見 恭子 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (00536302)
生水 真紀夫 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30226302)
山本 憲子 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (30586722)
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キーワード | 子宮体癌 / メトホルミン |
研究概要 |
本年度もひきつづき、子宮体癌患者の術前にメトホルミンを投与し、投与前後の効果を症例を追加してin vivoで確認した。 1) 同意の得られた子宮体癌患者の手術待機中に750-2250mg/日のメトホルミンを投与して、投与前後の組織・血清を採取した。AMPK-m TOR経路・MAPK経路・細胞周期蛋白の発現をウエスタンブロット法で確認、免疫染色でリン酸化S6・リン酸化ERK・Ki 67・Topoisomerase IIαの発現を比較した。2)メトホルミン投与前後の患者血清を用いたthymidine取り込み実験を行い、細胞増殖抑制効果を検証した。3メトホルミン投与前後の組織を用いて、マイクロRNA発現プロファイルを作成、メトホルミン投与で発現変動するマイクロRNAの探索を行った。 成績 1)子宮体癌患者でも、以前に確認した培養細胞株と同様のシグナルの変化が確認された。免疫染色の結果メトホルミン投与前後でリン酸化ERK・リン酸化S6の発現の減弱が確認された。またKi67およびTopoisomerase IIαの発現が減弱していた。2)メトホルミン投与後の血清は投与前の前の血清と比較して、thymidineの取り込みが減弱していた。3)メトホルミン投与により発現の変化するマイクロRNAを同定し、次年度解析予定
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マウス発癌モデルでの計画は発癌までの期間が長いこと、発癌率がそれほど高くないこと、メトホルミンの服用が安定しないことから、順調にすすんでおらず、発癌予防自体の現象はとらえられていない
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今後の研究の推進方策 |
子宮体癌患者におけるin vivoのメトホルミン効果の検証が進み、生体内での増殖抑制効果はメトホルミンの直接効果ではなく、間接的な効果の可能性が示唆された。発癌抑制はこれまでの検討から、メトホルミンの直接効果ではなく間接効果ではないかという報告もあり、メトホルミン服用による液性因子の解析に重点を置く。 予防の視点からは、メトホルミンは子宮体癌温存療法後の再発予防効果があることを報告してきた。このときの患者血清中の液性因子を比較する。 マウスモデルでは発癌抑制の確認が困難な可能性があり、子宮体癌培養細胞株の皮下移植モデルを用いて、子宮体癌患者で確認されたメトホルミンの効果を検証する。 さらに、メトホルミンの効果の検証は、メトホルミン投与によるマイクロRNA発現プロファイルの解析から、増殖抑制効果などメトホルミンのターゲットの推定していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初予定していた発癌モデルでの解析が遅れ、マイクロアレイ、メタボローム解析が未施行であったため、予定していた使用額より少ない施行となった 一部研究内容をみなおし、メトホルミン投与前後の遺伝子プロファイルを作成し、メトホルミンのターゲットの検索を行う。
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