研究課題
内在性酸化コレステロールをリガンドとする肝臓X受容体(LXR)は脂質代謝と糖代謝の両方に関与する核内受容体であり、エストロゲン作用に拮抗し細胞増殖抑制作用をもつ可能性が近年明らかとなってきた。本研究ではLXRの乳腺および子宮内膜における作用機序について検討し、より安全なホルモン補充療法への開発へ結びつけることを主要な目的としていたが、CCAR2はLXRの細胞増殖抑制作用を脱抑制する新規メカニズムが示された。CCAR2は造腫瘍的機能があることが知られているが、その一つとしてLXR抑制作用が関与している可能性が示唆された。1)乳癌抑制遺伝子として知られるCCAR2(KIAA1967/DBC1)は、細胞内およびin vitroの系においてCCAR2のアミノ酸末端を介してLXRの2つのサブタイプαおよびβのリガンド結合部位と相互作用した。この結合にLXRリガンドの存在は関係なかった。2)LXRのリガンド依存的転写活性増強作用に対し、CCAR2は抑制作用をもたらした。3)CCAR2は、脱アセチル化酵素SIRT1とLXRとの結合競合を起こす機序により、LXR活性の抑制をもたらす機序が明らかとなった。4) siRNAによる内在性CCAR2ノックダウンによりLXRの下流遺伝子であるABCA1およびABCG1の発現が脱抑制されたことから、本結合は機能的であることが示された。5) LXRアゴニストによる細胞増殖抑制作用に関する検討では、コントロールに比し内在性CCAR2ノックダウンでさらに細胞増殖抑制作用が強くなったが、それは細胞周期関連因子の発現抑制によることが示された。
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