研究課題/領域番号 |
24592507
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
水本 泰成 金沢大学, 大学病院, 助教 (00420331)
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研究分担者 |
京 哲 金沢大学, 医学系, 准教授 (50272969)
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キーワード | 子宮体癌 / CAF |
研究概要 |
本研究の目的は癌間質線維芽細胞(CAF:Cancer Associated Fibroblast)をターゲットとした子宮内膜癌治療を開発するものである。CAFは癌間質に存在し、細胞外マトリックス・成長因子・分化因子の分泌による癌細胞との相互作用を有し、様々な固形癌の発癌・癌形質維持・浸潤転移への関与が報告されている。子宮内膜癌はその体積の多くを癌間質に裏打ちされており、癌細胞とCAFの相互作用が推定されているが、ほとんど解明されていない。本研究は、子宮内膜癌におけるCAFの役割を解明し、その責任因子を標的とした新しい治療戦略の構築を目指すものである。 我々はこれまでに子宮内膜癌幹細胞マーカーとしてCD133を報告し、その高発現が子宮内膜癌の予後不良因子であることを見出してきた(Nakamura M et al.Human Pathol.2010;41:1516-29)。またSide-Population cells(Kato K et al.Am J Pathol2010;176:381-92)も子宮内膜癌幹細胞マーカーとして有用である。我々はこれまでに、6種類の子宮内膜癌細胞株におけるCD133陽性率をフローサイトメトリーにて算出してきた。これらの癌細胞株とNF,CAFとそれぞれ共培養することにより、癌幹細胞の比率の変化、幹細胞ポテンシャルとしての造腫瘍能の変化を評価する。現時点で癌幹細胞とNFあるいはCAFを共培養することによる表現型の変化や構成比率の変化を確認するには至っていない。今後は至適培養条件を見つけるべく、条件設定の幅を広げていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
CAFによる子宮内膜癌制御を証明する実験系を立ち上げようとしているが、研究環境の変化、時間的な制限があるため至適条件設定が難渋しているため。
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今後の研究の推進方策 |
CAFにより子宮内膜癌細胞株の増殖・浸潤・転移能をin vitroおよびin vivoの系にて評価する。さらにCAFにより子宮内膜癌幹細胞の分画がどの様に影響を受けるかを評価する。 NF、原発巣CAFおよび転移巣CAFよりRNAを抽出し、遺伝子発現profileの相違より候補となり得る標的分子を選定する。候補分子を抑制するためのsiRNAをデザインし、至適条件を設定した後にCAFと子宮内膜癌細胞株の共培養実験によって癌細胞の表現形を観察する。そのために、研究環境の再編成を行い、時間的制約をカバーする。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度にMicroarray解析を行う予定であったが、予定よりも検体数が少なかったため次年度も継続して行うこととしたため、それに伴う経費は繰り越しとした。 次年度にNF,CAFの臨床検体から培養系に移した検体を追加しMicroarray解析を行う予定である。
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