研究概要 |
研究目的;子宮頸癌の癌幹細胞の同定と治療耐性への関与、特に癌幹細胞が放射線耐性のメカ二ズムとの関連を探索する。 背景:癌細胞の中に自己複製能と多分化能を有する少数の癌幹細胞が存在し、癌細胞の起源と考えられている。さらにこれらは、治療抵抗性を有し、この幹細胞を治療のターゲットとすることで治療成績の向上が予測される。 結果:1.前年度に引き続き、in vitro;ヒト子宮頸癌細胞株Helaを用いて、Side population(SP)による癌幹細胞の富集団と考えられる細胞検出。SP細胞群でnon-SP細胞群に比して cancer stem markerであるといわれているCXCR4, Oct3/4, CD133,SOX2の発現が有意であること確認。この2群で再度培養し、side populationで、2群の分化傾向を確認、また、細胞増殖能をMTS assayを用いSP群でより高いviabilityを確認。in vivoでヌードマウスに2群のがん細胞を移植、腫瘍の生着、および増大・進行状態を継時的に確認。2.この2群の放射線による影響を変化を検討。照射前と照射後による各郡の細胞の形態変化,cell viability,アポトーシスの差を検討。これらによりSP群では照射後でも増殖能は衰えず、cell viabilityも高く、アポトーシスの細胞の頻度が低いことが確認された。3.各SP,nonSP群で照射群と非照射群において、DNA損傷の修復に関わるG2 checkpointのgatekeeperの一つで、放射線感受性に関与するといわれているWee1の発現を検討。SP群において非照射時、照射時ともにNSPより高発現を示し、Wee1がSPの放射線耐性の関与が示唆。4.方向性を変え癌幹細胞の樹立を検討中
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