難治性卵巣がんの免疫療法として「卵巣明細胞腺がんに対するHLA-A24および-A2結合性Glypican-3 (GPC3)由来ペプチドワクチン療法の臨床第Ⅱ相試験」は92例まで症例集積がすすんだ。本臨床試験の結果から腹膜播種病変に対する効果が乏しく、腹膜播種の微小環境が免疫治療の効果に抑制的に作用することが予測されたため、卵巣癌と腹膜中皮細胞の相互作用が癌免疫療法に与える効果について検討した。両細胞の共培養によってVEGF、IL-6、IL-8の発現が亢進し、腹膜播種の癌局所においてCTLなどの免疫担当細胞の機能抑制に作用していることが示唆された。
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