研究課題/領域番号 |
24592516
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
上田 豊 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10346215)
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研究分担者 |
小林 栄仁 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50614773)
藤田 征巳 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60303963)
榎本 隆之 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 招へい教授 (90283754)
吉野 潔 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90362730)
木村 敏啓 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (90584524)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 抗癌剤抵抗性 / iTRAQ法 / 子宮体癌 / 化学療法 / 蛋白質 |
研究概要 |
①iTRAQ法による網羅的解析 TEC療法(タキサン製剤・アンスラサイクリン製剤・プラチナ製剤)が奏効した進行子宮体癌組織2検体とTEC療法抵抗性進行子宮体癌組織組織2検体の蛋白質発現をiTRAQ法で比較した。蛋白質として約1500種類が検出された。その中で、TEC療法抵抗性進行子宮体癌で共通して発現が増強または減弱していた蛋白質(それぞれ14種類・11種類)を同定した。発現の増強・減弱はそれぞれ2倍以上・0.5倍以下を基準とした。 ②Western blotting / 免疫組織染色によるvalidation 上記①で同定された蛋白質についてGene Ontologyの観点から化学療法抵抗性などとの関連が示唆される蛋白質を2種類(蛋白質Aと蛋白質B)、これ以降の解析の優先対象として選別した。この2種類の蛋白質について8種類の子宮体癌細胞株(HEC1, HEC1A, HEC6, HEC88nu, HEC108, HEC251, SNGII, SNGM)でWestern blottingにて発現を解析したところ、蛋白質Aは4種類、蛋白質Bは3種類で強発現していた。またmRNAの発現をRT-PCRにて同様に解析したところ、蛋白質の発現と同様の傾向であった。次に子宮体癌の臨床検体(25検体)で、これら2種類の蛋白質の発現を免疫組織染色で解析したが、蛋白質Aは12検体、蛋白質Bは10検体で強発現がみられた。。 ③臨床データとの相関 現在、蛋白質AおよびBの発現と、抗癌剤奏効性・予後などとの関連を調べている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
24年度計画はほぼ終了している。唯一遅れている③臨床データとの相関の解析は、より多くの症例を対象にする目的で、当初の予定よりサンプル数を増やしたために蛋白質AおよびBの発現と抗癌剤奏効性・予後などとの関連は終了していない。しかし、当初来年度に予定していた細胞株での発現解析は今年度に終了した。
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今後の研究の推進方策 |
<平成25年度> ① 各種抗癌剤に対する感受性の評価(細胞株) 子宮体癌細胞株を用いて、TEC療法抵抗性子宮体癌臨床検体で発現が増強していた蛋白質はsiRNAや中和抗体を利用して発現を抑制させ、一方、発現が減弱していた蛋白質については遺伝子導入により発現を増強させることにより、抗癌剤(タキサン製剤・アンスラサイクリン製剤・プラチナ製剤)に対する反応性が変化するかどうかを各薬剤によるcell growth 50%阻害濃度(IC50)を計測することにより解析する。 ②各種抗癌剤に対する感受性の評価(マウス) ②と同様に癌細胞を移植したマウスを用いてin vivoでの抗癌剤感受性について解析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
子宮体癌細胞株における2種類の蛋白質の発現を減弱・増強させ、薬剤感受性の変化をIC50で観察する研究に必要な各種試薬を購入する予定である。またマウスを用いた解析も行う予定であるため、マウスの購入とその管理に資金を要する。
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