研究課題/領域番号 |
24592517
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
板持 広明 鳥取大学, 医学部, 講師 (20314601)
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研究分担者 |
紀川 純三 鳥取大学, 医学部附属病院, 教授 (00177784)
佐藤 慎也 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (10423261)
佐藤 誠也 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (30621007)
原田 省 鳥取大学, 医学部, 教授 (40218649)
島田 宗昭 鳥取大学, 医学部, 助教 (40362892)
浪花 潤 鳥取大学, 医学部, 助教 (70467702)
大石 徹郎 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (80359877)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 卵巣明細胞腺癌 / FGFR2 |
研究概要 |
卵巣明細胞腺癌40例から得られた組織検体を用いた。腫瘍組織中のFGFR2蛋白発現は90%の症例で観察された。一方、ARID1Aは35%の症例で欠失していた。FGFR2およびARID1A蛋白染色強度と進行期ならびにPI3K/Akt/mTOR経路の蛋白染色強度との間に関連はみられなかった。また、累積5年生存率はFGFR2蛋白の中および高発現群では60.2%であり、無および低発現群の80.0%に比して有意に低かった。多変量解析の結果、FGFR2蛋白染色強度は進行期とともに独立予後因子であった。一方、ARID1AおよびPI3K/Akt/mTOR経路の蛋白染色強度と患者の予後との間に関連はみられなかった。 基礎的検討では、卵巣癌由来細胞株16株(明細胞腺癌由来細胞株11株,漿液性腺癌由来細胞株5株)全てでRas/Raf/MAPKおよびPI3K/Akt/mTOR経路の蛋白発現を認めた。FGFR2蛋白は、明細胞腺癌株では11株中8株に発現を認めたが、漿液性腺癌株ではみられなかった。細胞内局在の検討では、FGFR2蛋白は細胞質に偏在していた。また、明細胞腺癌株に対するFGFR阻害剤であるPD173074のIC50は、FGFR2陽性株で陰性株に比して著明に低かった。FGFR2陽性株では、PD添加により濃度依存性にpAKTおよびpERK蛋白発現が抑制され、細胞周期のG1期停止がみられた。 FGFR2蛋白が予後予測マーカーとなり得ることを突き止めた。さらに、FGFR2制御による新たな治療法開発の可能性を示した。以上の成績から、難治性卵巣癌の一つである明細胞腺癌においてFGFR2は重要なバイオマーカーであり、FGFR2関連経路を標的とした新規治療戦略による予後改善が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床的検討から、FGFR2蛋白がバイオマーカーとなり得ることを突き止めた。さらに、基礎的検討では、FGFR2制御による新たな治療法開発の可能性を示した。 しかしながら、初年度に施行予定であったFGFR2シグナル伝達経路制御による抗がん剤感受性の変化とその機序の解明が現在も実施中であるため。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に施行予定であったFGFR2シグナル伝達経路制御による抗がん剤感受性の変化とその機序の解明を今年度も引き続き施行する。 また、ヌードマウスを用いたモデル実験を行い、明細胞腺癌に対するFGFR2シグナル伝達経路制御と抗がん剤との併用効果を確認する。
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次年度の研究費の使用計画 |
初年度に施行予定であった実験計画がやや遅れており、次年度に実験を追加する。そのため、次年度に追加で物品を購入する必要が生じた。 具体的には、FGFR2シグナル伝達経路制御による抗がん剤感受性の変化とその機序の解明を施行するために、siRNAやFlow Cytometry等に必要な物品を購入する。 また、モデル実験を行うために、ヌードマウスや抗がん剤等の必要物品を購入する。
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