研究課題
基盤研究(C)
卵巣明細胞腺癌112例の組織検体を用い、免疫組織化学にてFGFR2およびその下流のシグナル伝達経路の蛋白発現を検討した。腫瘍組織中のFGFR2蛋白発現は96%の症例で観察された。FGFR2中・高発現群の生存率は有意に低く、その発現強度は独立予後因子であった。明細胞腺癌株に対するFGFR阻害剤(PD173074)のIC50は、FGFR2強発現株で有意に低かった。また、FGFR阻害剤添加によりpAkおよびpERK蛋白発現の抑制と、G1期停止が観察された。したがって、難治性卵巣明細胞腺癌においてFGFR2は重要なバイオマーカーであり、FGFR2経路を標的とした新規治療戦略の開発が期待できる。
婦人科腫瘍学