研究課題
RCAS1のectodomain shedding機構においてRCAS1を分泌させるproteaseを同定し、子宮頸癌および体癌症例から採取した臨床検体におけるRCAS1発現・分泌動態とprotease発現の相関解析を行いました。その結果、RCAS1のshedding機構においてはADAM9が切断酵素として重要な役割を担っていることが確認されたため、子宮頸癌47例および体癌48例の末梢血RCAS1濃度および腫瘍組織でのRCAS1とprotease発現に関してELISAおよび免疫組織染色を用いて相関解析を行いました。子宮頸癌および体癌症例での末梢血RCAS1濃度と腫瘍組織でのRCAS1およびADAM9発現に有意な相関を認め、ADAM9はRCAS1のectodomain sheddingにおいて主要なproteaseであり、悪性腫瘍におけるRCAS1分子標的治療開発のターゲットとなり得ることが示唆されました。以上の研究成果はBioMed Research International誌に掲載されました。また、RCAS1により誘導されるアポトーシスについて口腔癌細胞株を使用して解析しました。使用した計4種類の口腔癌細胞株は全てRCAS1を発現していましたが、高転移能を有するSQUU-B細胞は他細胞株に比しより強いアポトーシス誘導能を有していました。一方で、SQUU-B細胞のRCAS1発現をRNA干渉によりknock downすることによって、誘導されるアポトーシスは有意に低下しました。この結果から、RCAS1発現を人為的に減弱させることによって腫瘍の進展が抑制されることが理解され、トランスレーショナルに悪性腫瘍に対する治療戦略として臨床応用が期待できることが示唆されました。本研究成果はJournal of Translational Medicine誌に掲載されました。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件)
Case Reports in Obstetrics and Gynecology
巻: 2015 ページ: 316262
10.1155/2015/316262
Journal of Translational Medicine
巻: 12 ページ: 112
10.1186/1479-5876-12-112
BioMed Research International
巻: 2014 ページ: 482396
10.1155/2014/482396