アクチン結合蛋白カルポニンh1 (CNh1)は細胞骨格蛋白アクチンを安定化させるので、卵巣がん治療の分子標的となりうるその責任部位を同定することとした。CNh1全長とCNh1の構造の一部を卵巣癌株に導入した。免疫染色で外因性CNh1の局在とアクチン重合度合を検討し、細胞の増殖能、運動能、浸潤能に与える影響も検討した。アクチン重合比率はCNh1全長で73%、カルポニンリピート構造(CNR1)で 66%とコントロール(36%)に比べて高率を示し、細胞形態も変化した。CNh1全長やCNR1を導入した細胞は、増殖能、細胞運動能、浸潤能のすべてが有意に抑制された。CNR1は分子標的になりうると思われた。
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