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2012 年度 実施状況報告書

転写因子HOXD9の子宮頸癌における機能解析と新たな治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24592528
研究種目

基盤研究(C)

研究機関慶應義塾大学

研究代表者

塚崎 克己  慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (40118972)

研究分担者 岩田 卓  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (30296652)
谷口 智憲  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (40424163)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード子宮頸癌 / HOXD9
研究概要

HOX familyはDNA結合部位 (Homeobox domain)を有し,遺伝子転写を制御する遺伝子群である.HOXD9の子宮頸癌での発現と臨床病理学的因子との関連,および細胞増殖に与える影響を検討した.
正常子宮頸部組織10例および広汎子宮全摘術を施行したIb1-IIa期の子宮頸癌組織56例(扁平上皮癌:26例,腺癌:25例,神経内分泌癌:5例)について,HOXD9遺伝子の発現を定量的PCR法で検討し,臨床病理学的因子との関連をMann-Whitnny U検定で検討したところ、子宮頸癌組織では正常頸部組織に比して有意にHOXD9が高発現していた(中央値比2.2倍,p=0.003).組織型では神経内分泌癌で扁平上皮癌および腺癌に比して発現量が高かった(中央値比4.3倍,p=0.043).腫瘍径,浸潤深度,リンパ節転移,脈管侵襲の病理学的因子うち,HOXD9の発現量と関連していた因子は脈管侵襲であり,陽性例で有意に発現量が高かった(中央値比2.5倍,p=0.018).
子宮頸癌細胞株SKG-1,SKG-2,SKG-3a,SKG-3bでshRNAによってHOXD9の発現を抑制し,細胞増殖能に与える影響を検討した.4種の子宮頸癌細胞株でHOXD9の発現を抑制すると,SKG-1,SKG-3a,SKG-3b株では増殖が停止し,SKG-2株でも増殖が有意に抑制された

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

HOXD9は子宮頸癌で、悪性化に関連する転写因子と仮説をたてて実験を行った。現在のところ、子宮頸癌の潤転移に深く関与していることが示されている。また、リンパ管侵襲との関連も有意であり、仮説に沿って結果が出ている。

今後の研究の推進方策

HOXD9遺伝子の発現抑制前後のRNAを用いて、マイクロアレイによる網羅的遺伝子解析を行う。マイクロアレイは、ヒト全遺伝子型DNAチップである3D-Gene(東レ)を使用し、25000遺伝子を網羅的に解析する。これにより、HOXD9がどの細胞内情報伝達系によって制御されるか、またHOXD9の標的遺伝子を同定する。
HOXD遺伝子群のプロモーターが高頻度にメチル化され、発現が抑制されることが報告されている(Cancer Res. 70;2718, 2010)。子宮頸癌でHOXD9の発現制御がメチル化によるものか検討する。

次年度の研究費の使用計画

未使用額の発生は、効率的な物品調達を行った結果で有り、平成25年度の研究費と合わせて消耗品に使用する。
平成25年度の研究費は主に消耗品、旅費、論文投稿料などに使用予定である。消耗品としては、抗体の購入、Gene Chipの購入、動物実験のための動物購入と飼育費、シャーレなどの一般的な培養の為の試薬と器具の購入、プライマーなどの一般的な分子生物学的実験の為の試薬と器具の購入に使用する。また、メチル化特異的PCRを行うため、試薬を購入する。

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公開日: 2014-07-24  

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