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2013 年度 実施状況報告書

転写因子HOXD9の子宮頸癌における機能解析と新たな治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24592528
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

塚崎 克己  慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (40118972)

研究分担者 岩田 卓  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30296652)
谷口 智憲  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (40424163)
キーワード子宮頸癌 / HOXD9
研究概要

平成25年度は24年度のHOXD9が子宮頸癌細胞の増殖・浸潤・転移に深く関与するという結果をうけて、その発現と、悪性形質との関連を分子生物学的に明かとするための研究を行った。
HOXD9の細胞内での発現メカニズムを検討するため、4種の癌細胞株Hela、SiHa、SKG1、SKG3a、TCO1でのHOXD9のプロモーター部位のメチル化を検討した。この結果、SKG1を除く3つの細胞株でHOXD9のプロモーターメチル化を検出した。また、実際の子宮頸癌患者検体73例を用いて同様にHOXD9のプロモーターメチル化を検出したところ、73例中43例でメチル化を検出した。しかしながら、子宮頸癌組織でのプロモーターのメチル化とHOXD9の発現量には相関を認めなかった。
次に、HOXD9が細胞増殖を促進するメカニズムを解明するため、SKG-1株とSKG-IIb株でshRNAによってHOXD9を抑制し、MOCK株との全遺伝子の発現比較を3D gene system(東レ)で行った。その結果をweb上のシグナル解析プログラムであるIPAプログラムで解析したところ、HOXD9は癌抑制遺伝子P53の働きを阻害することが示唆された。さらに解析を行い、この機序に関連する分子としてHDAC9が同定された。HDAC9はATDCを介してP53の活性化に関与することが知られており、現在、HOXD9がHDAC9の発現を抑制して結果的にP53の活性化を抑制しているとの仮説を立てて、研究を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

HOXD9のプロモーターがメチル化によって発現抑制されていることが確認された。また、遺伝子のネットワーク解析によって、HOXD9が細胞増殖に影響を与えるメカニズムの仮説が立てられ、来年度の研究につながる成果となった

今後の研究の推進方策

HOXD9は子宮頸癌の細胞増殖に、多大な影響を与えていることが判明した。このため、当初予定していたマウスに移植した腫瘍でHOXD9を抑制した際の、免疫学的効果を検討することに加えて、HOXD9がどのような分子機構で細胞増殖に関与するのかを解明する。

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公開日: 2015-05-28  

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