我々が作製したヒトHMMC-1抗体は婦人科癌、中でも子宮体癌に特異的に抗腫瘍効果を示した。この抗体は子宮体癌の細胞に対しては増殖抑制効果を示し、異なる転移能を有する細胞では、より高い転移能を持つ細胞に対して、より強い増殖抑制効果を示した。その増殖能の差は細胞周期の影響によらないことを示した。さらにHMMC-1抗体の認識糖鎖抗原を質量分析で解明した。反応タンパクの抗原解析では少なくとも糖タンパク質のCD166およびCD49であることが判明した。今後の新たな治療戦略として、子宮体癌の中でもCD166発現の上昇を示す症例には、HMMC-1抗体の分子標的治療薬の治療的役割を期待する結果となった。 。
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