研究課題/領域番号 |
24592531
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
片岡 史夫 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (40306824)
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研究分担者 |
津田 浩史 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00423880)
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キーワード | 子宮体癌 / マイクロアレイ解析 / 遊離DNA / 再発予測 |
研究概要 |
子宮体癌の遺伝子発現解析による再発予測モデルの構築 子宮体癌の癌実質と間質の両者の遺伝子発現解析を実施し,癌実質および間質に共通して発現し再発に関与している遺伝子が重要であることを見出した.選別した遺伝子よりカスタムアレイを作成して,再発予測モデルを構築した.構築したモデルは現行の病理診断による再発リスク分類と比較して良好な精度であった.複数の施設より集積した子宮体癌凍結組織検体よりRNAを抽出し,カスタムアレイにて発現解析を実施し,再発予測モデルの精度および施設間の再現性を検証した結果,構築したモデル(感度 86%,特異度 67%,陽性反応的中率 23%)は現行の病理診断(感度 86%,特異度 48%,陽性反応的中率 16%)より効率的に再発リスクを予測可能であり,有用性があると考えられた.構築したモデルは,再発リスク予測精度の改善や,診断能力の施設間格差の解消による均一な診断体制の確立に寄与する可能性があると考えられた.現在,子宮体癌の癌実質と間質の両者の遺伝子発現解析のデータに関して論文を作成し,投稿中である. 血中遊離DNA 測定による再発予測モデルの確立 保有している血清で,メチル化DNAを遊離DNAのサロゲートマーカーとして定量的PCRでの定量を進めている.子宮体癌術前,術後1,3,7,14 日目の血清,当院外来管理中の体癌術後症例の血清を集積に関しては,当初計画の目標症例数に到達している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
血中誘致DNA測定による再発予測モデルの確立において,血清でのメチル化DNA定量の作業が遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
子宮体癌の遺伝子発現解析による再発予測モデルの構築 病理学的な再発低リスク・中リスク例の子宮体癌パラフィン包埋組織よりのRNA を抽出作業を継続する.前年度までに決定した遺伝子を対象として,定量的PCR 法を施行し再発予測モデルを作成する.決定した遺伝子を対象に抗体を作成し,免疫組織化学的検討により候補遺伝子の蛋白レベルでの臨床的意義を確認する.また,子宮体癌細胞株を用いて,候補遺伝子の昨日解析を実施する. 血中遊離DNA 測定による再発予測モデルの確立 保有している血清で,メチル化DNAを遊離DNAのサロゲートマーカーとして定量的PCR で定量し,特異性を検証していく.
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は,研究分担者の退職により研究体制に変化があったため,予定していた血中遊離DNA測定による再発予測モデルの確立において,血清中のメチル化DNAの定量作業が遅れているため未使用額が生じた. 平成26年度に行う予定の研究計画と併せて実施予定であり,RNA 抽出関連費用として30 万円を見込んでいる.定量的PCR に関する費用として100万円を見込む.癌の再発予測が可能と考えられる遺伝子を抽出した後に,培養細胞株を用い当該遺伝子の機能解析を予定しており,それに要する費用として細胞培養関連費用 40 万円およびsiRNA 実験関連費用 80 万円を見込む.
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