研究実績の概要 |
子宮体癌の遺伝子発現解析による再発予測モデルの構築 子宮体癌において,癌実質と間質の両者の遺伝子発現解析を実施し,癌実質および間質に共通して発現し再発に関与している遺伝子が 多数存在し,重要であることを見出した.そして,選別した遺伝子よりカスタムアレイを作成して,重要遺伝子を20個にしぼりこみ,68例で再発予測モデルを構築した.構築したモデルは現行の病理診断による再発リスク分類と比較して良好な精度であった.複数の施設より集積した子宮体癌136症例の凍結組織検体よりRNAを抽出し,カスタムアレイにて発現解析を実施し,再発予測モデルの精度および施設間の再現性を検証した.結果は ,症例数を増加させた場合でも構築したモデルは現行の病理診断より効率的に再発リスクを予測可能であった.また,特にカスタムアレイによる再発予測モデルでは,再発低リスクに分類される症例が32%増加し,これらの症例では術後の化学療法を省略できる可能性 が示唆された.平成26年度は, 上記の内容を中心に論文作成・投稿を行いGENES, CHROMOSOMES & CANCER誌に掲載された.
血中遊離DNA 測定による再発予測モデルの確立 平成26年度, 保有している血清でメチル化DNA を遊離DNA のサロゲートマーカーとして定量的PCRで定量し, 再発との関連を検証したが, 有用性を示唆する結果は得られなかった.
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