小児難聴の他覚的聴力検査には睡眠下の聴性定常反応(ASSR)を利用した検査が行われるが、反応の性質、特に睡眠との関係については不明である。より正確な精密聴力検査を行うために、ASSRと睡眠深度の関係について検討した結果、睡眠深度が深いほど良好なASSRの反応を記録することができ、ASSRの閾値は小さくなるという結果を認めた。ASSRの結果から聴力レベルを推定する際には睡眠ステージを考慮する必要があるが、現存の測定機器ではASSRと睡眠深度の同時測定は非常に煩雑であり、簡便に両者を同時測定して、ASSR閾値から実際の聴力レベルを推定する際に、睡眠深度で自動補正をおこなえるシステムを開発中である。
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