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2016 年度 実績報告書

蝸牛発生、機能維持、蝸牛障害におけるセラミド、スフィンゴ脂質の影響の検討

研究課題

研究課題/領域番号 24592541
研究機関筑波大学

研究代表者

田渕 経司  筑波大学, 医学医療系, 講師 (80361335)

研究分担者 原 晃  筑波大学, 医学医療系, 教授 (10156474)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2017-03-31
キーワード蝸牛 / 内耳 / シスプラチン
研究実績の概要

シスプラチンは抗腫瘍薬として現在広く臨床使用されているが、耳毒性、腎毒性をきたしやすい薬物であり、内耳蝸牛へのシスプラチンの過剰投与は内耳障害を惹起する。この有毛細胞や蝸牛側壁に対するシスプラチンの耳毒性の障害メカニズムを検討した。実験にはマウスを用いた。マウス蝸牛を摘出し、培養液中で器官培養を行った。本培養液中に直接シスプラチンを添加することで、シスプラチンの障害を惹起した。48時間のシスプラチン含有培養液での器官培養で、蝸牛有毛細胞障害、蝸牛側壁の障害を認めた。ペルオキシレドキシン(Prx)の各サブタイプのmRNA発現を見ると、Prx1からPrx6の各6タイプのペルオキシレドキシンの発現が蝸牛で確認された。シスプラチン負荷に対する発現は各サブタイプごとに振る舞いが異なっており、Prx1はシスプラチンの負荷により、その発現が時間とともに増加した。一方Prx2についてはシスプラチン負荷に対し、48時間でそのmRNA発現は低下していた。Prx1を抑制すると蝸牛有毛細胞の障害には有意な影響を与えなかったものの、蝸牛側壁において、シスプラチン負荷による蝸牛側壁の線維芽細胞の障害が有意に促進された。
ペルオキシレドキシンは活性酸素のスカベンジング作用を有するタンパクであり、シスプラチン負荷により、Prx1のサブタイプが蝸牛内でその発現が増加すること、また、Prx1の抑制により蝸牛側壁の障害が進行することから、Prx1のスカベンジング作用がシスプラチン耳毒性の軽減に重要であること、特に、蝸牛側壁の線維芽細胞の維持に重要な役割を演じることが示された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] The role of peroxiredoxin I in cisplatin-induced ototoxicity2017

    • 著者名/発表者名
      Le Q, Tabuchi K, Warabi E, Hara A
    • 雑誌名

      Auris Nasus Larynx

      巻: 44 ページ: 205-212

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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