蝸牛においてセラミド、スフィンゴシンがシスプラチンによる蝸牛毒性に対し、細胞障害を増悪させることが分かった。また、セラミド、スフィンゴシンはシスプラチンとの併用でなく、単独で投与しても、高用量では蝸牛に対して細胞毒性を呈した。一方でセラミド―1-リン酸(C1P)はシスプラチンによる蝸牛毒性を軽減する作用を呈した。セラミドをC1Pへと代謝するセラミドキナーゼ阻害により、セラミドの蝸牛毒性は著明に増悪することから、蝸牛における内因性のセラミドキナーゼはセラミドをC1Pへと蝸牛内で代謝することで、蝸牛を耳毒性から保護していると推察された。
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