研究課題/領域番号 |
24592546
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
今井 貴夫 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80570663)
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研究分担者 |
宇野 敦彦 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10335341)
中前 幸治 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (40155809)
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キーワード | 異常眼球運動 / 病的眼振 / 眼球運動解析 / 緩徐相 / 急速相 |
研究概要 |
本研究の目的はめまいを訴える患者に出現する異常眼球運動を解析することにより、めまいの原因が脳出血、脳梗塞、脳腫瘍などの脳の疾患による中枢性に存在するのか、メニエール病などの内耳の疾患による末梢性に存在するのかを診断するシステムを開発することである。平成25年度は研究計画の予定通り、大阪大学医学部附属病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科めまい専門外来をめまいを主訴に受診し、異常眼球運動を認めた患者の異常眼球運動の記録を続け、記録した異常眼球運動を240Hzにて解析した。240Hz以上での眼球運動の解析は、従来はサーチコイルシステムでしか行うことができなかった。サーチコイルシステムによる異常眼球運動記録、解析には、患者の眼球にコイルを装着する必要があり、侵襲的である。当研究では240Hzでの動画記録のできるハイスピードカメラを使用し、異常眼球運動の記録を行おり、非侵襲的な異常眼球運動の記録、解析が可能である。脳の疾患による異常眼球運動の中には3Hz以上の高頻度の異常眼球運動が出現する場合があり、そのような場合はサーチコイルを眼球上に置くだけでは、異常眼球運動により、サーチコイルが眼球からずれるため、正確な眼球運動記録ができない。平成25年度は異常眼球運動の一種である病的眼振の解析を行った。病的眼振は緩徐相と呼ばれる遅い眼球運動と急速相と呼ばれる速い眼球運動から構成される。急速相は従来の30Hz、60Hzでの解析では解析できず、240Hzでの解析が必要である。平成25年度に病的眼振の緩徐相のみでなく、急速相の解析も行った。現在、中枢性疾患と末梢性疾患の急速相の違いを検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
異常眼球運動が出現している患者から実際に240Hz動画が記録でき、解析できることがわかった。現在、異常眼球運動の240Hzでの記録、および解析を続けている。従来のカメラでは記録、解析が不能であった病的眼振の急速相の記録、解析も可能であることを確認し、急速相の記録、解析を続けている。中枢性疾患と末梢性疾患の急速相の違いを検討している。
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今後の研究の推進方策 |
今後も異常眼球運動の240Hzでの記録、解析を進める予定である。また、視運動性眼球運動検査時などの、外部から刺激を与えたときに出現する異常眼球運動を240Hzにて記録、解析を行う予定である。異常眼球運動の記録、解析のため、高性能のコンピューター、および、大容量のハードディスクが必要である。現在得られた、240Hzで解析された異常眼球運動の、特に急速相に着目し、中枢性疾患と末梢性疾患の相違を探索する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は予定通り異常眼球運動の記録解析ができた。平成26年度にさらに異常眼球運動の記録、解析を続けるため、高性能のコンピューター、および、大容量のハードディスクが必要となった。 高性能のコンピューター、および大容量のハードディスクを購入し、異常眼球運動の記録、解析を続ける。
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