研究課題/領域番号 |
24592548
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
谷本 均 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (50362786)
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研究分担者 |
大月 直樹 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40343264)
山下 大介 神戸大学, 医学部附属病院, 特命助教 (60306785)
勝沼 紗矢香 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (80457043)
藤田 岳 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (90533711)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 内耳 / 血液ー内耳関門 / RNA干渉 |
研究概要 |
RNA干渉法によって血液-内耳関門の構成蛋白質の転写を抑制し、マウスの血液-内耳関門バリア機構を分子量選択的、一時的、可逆的に調整する。血液-内耳関門バリア機構を調整したマウスに対し、経静脈的に薬剤を全身投与し、内耳に薬剤が到達していることを証明する。C57BL/6マウスを使用して、巨大音響外傷を与え音響外傷モデル作成する。その後、血液-内耳関門の主要蛋白であるclaudin-5転写の抑制RNA干渉剤を経静脈的に投与する。RNA干渉法はその48時間後に内耳障害細胞再生を目的に神経保護剤として脳由来神経栄養因子Brain-derived neurotrophic factor(BDNF)を経静脈的に投与する。そしてclaudin-5転写抑制する干渉RNAの代わりに生食を経静脈的投与後、BDNFを経静脈的に投与したコントロールマウスとを内耳免疫蛍光染色、聴性脳幹反応を用いて、形態学的、電気生理学的評価を行っている。 さらにclaudin-5転写の抑制RNA干渉の効果をより明確な形でとらえる目的で、音響外傷の治療効果ではなく、claudin-5転写抑制する干渉RNAとBDNFの投与を音響外傷前に行い、予防効果の検討を行っている。分子量の小さい薬剤が受動的に血液-脳関門を通過できるとされているため、分子量の違う神経保護薬剤を使用し検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ストレプトゾトシン誘発I型糖尿病モデルマウスでコントロールマウスと比較して、CD31免疫染色の用いて加齢に伴う蝸牛軸の組織学的変性を認めた。音響負荷での難聴発生後の遷延、組織学的にラセン神経節細胞死増加を確認した。レーザードプラー計を用いて蝸牛血流低下を認めた。糖尿病マウスでの内耳易障害性を明らかにした。(Increased inner ear susceptibility to noise injury in streptozotocin-induced diabetic mice. Diabetes. 2012;61:2980-6)。 RNA干渉法によって血液-内耳関門の構成蛋白質の転写を抑制し、血液-内耳関門バリア機構を調整する。血液-内耳関門バリア機構を調整したマウスに対し、経静脈的に薬剤を全身投与し、内耳に薬剤が到達していること、薬剤が内耳で作用していることを証明する目的に研究をすすめている。C57BL/6マウスを使用して、巨大音響外傷を与え音響外傷モデル作成している。その後、血液-内耳関門の主要蛋白であるclaudin-5転写の抑制RNA干渉剤を経静脈的に投与し、血液-内耳関門の薬剤通過を可能にする。RNA干渉法後内耳障害細胞再生を目的に神経保護剤として脳由来神経栄養因子Brain-derived neurotrophic factor(BDNF)を経静脈的に投与した。そして内耳免疫蛍光染色、聴性脳幹反応を用いて、形態学的、電気生理学的評価を行っているが、形態学的にも電気生理学的にもBDNFの神経保護効果はみられていない。さらにclaudin-5転写の抑制RNA干渉の効果をより明確な形でとらえる目的で、音響外傷の治療効果ではなく、claudin-5転写抑制する干渉RNAとBDNFの投与を音響外傷前に行い、予防効果の検討を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きRNA干渉法によって血液-内耳関門の構成蛋白質の転写を抑制し、マウスの血液-内耳関門バリア機構を分子量選択的、一時的、可逆的に調整できることを証明していく。血液-内耳関門バリア機構を調整したマウスに対し、経静脈的に薬剤を全身投与し、内耳に薬剤が到達していることを証明する。 巨大音響外傷を与え音響外傷モデル作成した後、血液-内耳関門の主要蛋白であるclaudin-5転写の抑制RNA干渉剤を経静脈的に投与し、その後に内耳障害細胞再生を目的に神経保護剤として脳由来神経栄養因子Brain-derived neurotrophic factor(BDNF)を経静脈的に投与する方法を中心に行ってきたが、血液-内耳関門の主要蛋白であるclaudin-5転写の抑制RNA干渉剤を経静脈的に投与し、BDNFを投与したC57BL/6マウスに巨大音響外傷を与える方法に変更する。RNA干渉法による血液-内耳関門バリア機構を調整し、音響外傷モデルマウスの治療効果をみる研究に加えて、より効果が出やすいとされる予防効果をみる研究も行っていく。分子量の小さい薬剤が受動的に血液-脳関門を通過できるとされているため、分子量の違う神経保護薬剤を使用し検討している。 またRNA干渉法による血液-内耳関門バリア機構の調整が可能かどうかを薬剤の治療・予防効果以外に、造影剤、染色剤を経静脈的に投与し、薬剤が血液-内耳関門を通過し、内耳に到達しているかを確認する。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究で使用する設備はほぼ整っていて、新規に大型の設備を購入する必要がない。実験動物(マウス)の購入・飼育にかかる費用が必要である。動物飼育の設備は整備されているが、その維持管理にも費用が必要である。実験動物購入費200,000円、動物飼育消耗品100,000円。 またclaudin-5転写を抑制する干渉RNA作成および内耳パラフィン、凍結標本作製や抗体購入、各種薬剤購入などの費用は本研究において内耳の形態学的評価を行うために必要不可欠であると考える。組織学的手法全般に精通した研究助手と共に内耳免疫蛍光染色を実施しているが、その雇用費用が必要である。分子生物学試薬100,000円、免疫組織学試薬100,000円、電気生理関係消耗品100,000円、人件費250,000円 本研究の成果の取りまとめを行い、内外の学会、学術誌に発表を行う予定であるが、その際の旅費、学会参加費が必要となる。国内旅費150,000円
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