メニエール病は内耳の水代謝に障害をきたし内リンパ水腫をきたすことが原因とされている。内耳の水代謝にはバゾプレッシンを介した水チャネル・アクアポリン2(AQP2)が関与していることが明らかなっている。最近発見されたアクアポリン11(AQP11)もAQP2と同様に内耳に発現するとされているが、その局在の詳細や、AQP11の内耳における機能は明らかになっていない。本研究ではラットにおけるAQP11の局在部位を明らかにするとともに、AQP11ノックアウトマスの聴覚を聴性脳幹反応を用いて測定し、組織学的に内耳を観察した。その結果、AQP11はラット血管条と内リンパ嚢に局在が認められた。AQP11ノックアウトマスでは野生型マウスに比べて、15~50dBの閾値が高かった。しかし光学顕微鏡による組織学的研究では、内リンパ水腫は認められず、蝸牛や血管条有意な形態的変化はなかった。 本研究におけるAQP11ノックアウトマウスは明治薬科大学病態生理学、石橋賢一教授から供与された。
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