研究課題
平成27年度は2例を施行実施し、最終的に累積参加症例数は18例となった。本年度症例のうち、一例は76歳女性で脳表ヘモシデリン沈着症を指摘されている症例であった。術前評価では右残存聴力がありプロモントリーテストは右優位、補聴器効果は左不良でMRI所見に左右差なし。PET/CT評価ののち左人工内耳手術施行した。もう一例は両鼓室形成術後の両高度難聴で、両耳とも準備手術ののち右人工内耳植込術を試みるも蝸牛骨化のため断念した。全体の解析では、過去に実施した方法(Okuda et al. ORL 2013; 75: 342-349.)と同様にレファレンスを一次視覚野(V)において一次聴覚野(A)を比較したところ、18例中11例で刺激試験時にbaselineよりもカウント比増加を認めた。これらのうち語表による術後成績評価の困難な小児、および蝸牛骨化のため人工内耳手術を断念せざるを得なかった1例を除く13例について、人工内耳術後語音明瞭度の推移を検討したところ、カウント比増加あり群となし群で明らかな差は認めなかった。カウント比については、A/Vの他に一次聴覚野/1次運動野、ウエルニッケ/一次聴覚野、横側頭回/一次聴覚野も試してみたが同じ傾向であった。ここまでの検討は語音成績についてのみ評価されたもので、人工内耳による聴覚閾値その他の要素についての検討を現在進めている。また、対象症例には脳表ヘモジデリン沈着症等の後迷路性難聴症例も含まれるため、中枢病態との関係についても検討中である。カウント比と人工内耳成績、原疾患等について解析を進めるとともに、画像解析法についても再検討中である。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件)
Case Reports in Otolaryngology.
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