研究課題/領域番号 |
24592560
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
藤岡 正人 慶應義塾大学, 医学部, 共同研究員 (70398626)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 耳科学 / 実験動物学 / トランスレーショナルリサーチ / 聴覚医学 / 疾患モデル |
研究概要 |
耳科学・聴覚医学領域における次世代トランスレーショナルリサーチに向け、小型霊長類コモンマーモセットの耳科手術と末梢聴器~聴覚中枢の同時横断的機能評価系および難聴モデルを樹立する。 1)手術手技の確立:当研究計画を提出してほどなく米国ジョンズホプキンス大学の研究グループより、マーモセット蝸牛への人工内耳挿入について報告がされ、奇しくも我々の検討課題は彼らによって解決される形となった。当科ではこの再現実験を行い、問題なく挿入できることが判明し、予定よりもずっと早くこの検討点が解決した。 2)耳音響反射(OAE)の最適化とその基礎データ収集 ハーバード大Liberman博士の指導の下、同研究室で実績のあるEPL Acoustic System Assemblyの測定プローブを慶大内で作成し、電気回路の作成を行なった。これによりハードウェア面は高い完成度で完成した。本年度より音源に接続し、研究協力者原田博士によるソフトウェア面と組合わせて実用化へと移す。 3)最終年度に霊長類研究へ応用展開を進める基礎段階に相当する、齧歯類難聴研究において、蝸牛有毛細胞再生治療剤による難聴改善を報告した(Mizutari and Fujioka, Neuron 2013:IF 15.710)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)当研究計画を提出してほどなく米国ジョンズホプキンス大学の研究グループより、マーモセット蝸牛への人工内耳挿入について報告がされ、奇しくも我々の検討課題は彼らによって解決される形となった。当科ではこの再現実験を行い、問題なく挿入できることが判明し、予定よりもずっと早くこの検討点が解決した。 2)OAE樹立については電気回路作成において、部品調達や技術的問題が生じて難渋し、予定よりはやや遅れたものの、ハードウェア面は高い完成度で完成した。本年度より音源に接続し、研究協力者原田博士によるソフトウェア面と組合わせて実用化へと移す。 3)最終年度に霊長類研究へ応用展開を進める基礎段階に相当する、齧歯類難聴研究で大きな発展があり(前述)、予定よりも優れた進展が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
1)画像解析で大きな成果が得られているので、この結果をヒトへ応用する。すなわち、健常人での基礎データの収集に向けて、研究を推進させていく。 2)OAEの技術的確立の遅れについては、一部の機能的実験は次年度に持ち越すことで対応する。 3)正常モデル及び疾患モデルでの経時的な画像変化撮影を予定する
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次年度の研究費の使用計画 |
OAEに用いる電気機器一式を次年度に一括購入する予定である。 当初予定していた高精度耳音響反射測定装置(DP-OAE)のハードウェア部分の製作が予定より遅れたため、24年度の研究費に未使用額が生じたが、25年度に行う予定の研究計画と合わせて実施する。
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