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2012 年度 実施状況報告書

中耳真珠腫におけるマイクロバイオームの検討

研究課題

研究課題/領域番号 24592562
研究種目

基盤研究(C)

研究機関昭和大学

研究代表者

比野平 恭之  昭和大学, 医学部, 講師 (00238320)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード中耳真珠腫 / マイクロバイオーム / 組織学的検討
研究概要

近年、米国を中心として消化管や生殖器、皮膚組織などのマイクロバイオーム(microbiome、宿主に生存する微生物コミュニティの構成ゲノムの総称)を検討し、疾患の発生や予防機序に応用する試みが行われており、特に肥満や糖尿病などの代謝疾患で研究が進んでいる。中耳は気道粘膜の延長であり、中耳粘膜には種々の細菌が棲み中耳炎の発症や遷延化に深く関わっていると考えられる。ところが実際に培養できる微生物は10%以下であり、培養できない細菌が中耳炎の遷延化、中耳真珠腫の発症に影響を与えている可能性は大きい。しかしこれまでのところ中耳粘膜におけるmicrobiomeの検討は行われていない。
本研究では手術時に得られた組織標本から中耳粘膜のmicrobiomeを真珠腫例、非真珠腫例との間で比較検討し、真珠腫に特異的なmicrobiomeを明らかにすることを目的とする。
今回の検討では、申請者らが行う手術時に得られた組織標本から中耳粘膜のmicrobiomeを真珠腫例、非真珠腫例との間で比較検討する。この結果、真珠腫例において特異的に発現するmicrobiomeが明らかとなる。
今年度は真珠腫例5例、非真珠腫例4例から組織標本を採取した。現在、これらの組織をPCR法を用いて細菌特異的16s rRNA の増幅を行い、シーケンサーで解析して遺伝子の配列を決定し、データベースを用いて、真珠腫、非真珠腫例それぞれにおける細菌腫の同定を行なっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今回の検討では、申請者らが行う手術時に得られた組織標本から中耳粘膜のmicrobiomeを真珠腫例、非真珠腫例との間で比較検討することとした。真珠腫例において特異的に発現するmicrobiomeを明らかにすることが目的である。
今年度は真珠腫例5例、非真珠腫例4例から組織標本を採取した。現在、これらの組織をPCR法を用いて細菌特異的16s rRNA の増幅を行い、シーケンサーで解析して遺伝子の配列を決定し、データベースを用いて、真珠腫、非真珠腫例それぞれにおける細菌腫の同定を行なっている。しかし検体によるばらつきが予想より大きく、まだ真珠腫例に特異的なパターンが検出されていない。

今後の研究の推進方策

真珠腫手術例における検体組織摘出法の工夫が必要と考える。従来は鑷子などで掻き出すような採取を行っていたが取り残しなどが考えられるため、生理食塩水で十分に洗浄してできるだけ多くの検体が得られるような処理を行う必要がある。
また検体を提供して頂ける症例をできるだけ多く集めるため、関連病院からの紹介例を増やす必要がある。従って検体数の増加から解析費用の増額が予想されるが、今年度に使用した研究費が少ないため、予算内からの補填は可能と考える。

次年度の研究費の使用計画

組織検体の組織表面の細胞を分離してDNAを精製し、PCR法を用いて細菌に特異的なPCR産物を得る。PCR産物をシーケンサーで解析して遺伝子の配列を決定し、データベースを用いて、真珠腫、非真珠腫例それぞれにおける細菌腫の同定を行なう。
シーケンサー解析にかかる費用が最も大きいが予想される検体数が約15例であり、研究費の予算内で行える。その他、研究成果発表のための国内外の学会参加や学術論文執筆の予定がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 進展度分類に応じた真珠腫に対する鼓室形成術2012

    • 著者名/発表者名
      比野平恭之
    • 学会等名
      第22回日本耳科学会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      20121003-20121006

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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