研究課題/領域番号 |
24592568
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
谷川 徹 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (10367758)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 耳石 / ストロンチウム / 魚類 |
研究概要 |
電子線マイクロアナライザーを用いた耳石におけるストロンチウム含有量の測定(海水および淡水魚) 材料と方法)材料としては、愛知県、および山口県近郊の海水魚および淡水魚を使用した。方法)摘出した魚の耳石を、日立イオンスパッター E1045によりカーボンでコーティング後、島津製作所の電子線マイクロアナライザー(EPMA1720H)でSr/Ca比を測定した。Accelerating voltageとBeam currentはそれぞれ15キロボルトと10ナノアンペアで作動させた。100マイクロメートル角のエリアで、耳石中心部をスキャンした。データは1回20分の測定を10回繰り返すことで得られた。 結果)25年1月に山口県沖で採取したアジの耳石中心部での Sr/Ca比(Sr/Ca x 1000)は79.6から95.1であった。愛知県で平成23年6月と24年6月に採取したアユの耳石中心部でのSr/Ca比は、それぞれ5.9と0.46であった。耳石辺縁部のSr/Ca比については、データが安定しなかった。 考察と今後の展望)今回、上記のような方法を用いることにより、少なくとも耳石中心部のSr/Ca比が電子線マイクロアナライザーで測定できることが判明した。次回、アジについては平成26年1月ごろに同じ場所(山口県沖)での採取を予定している。アユについても、平成25年6月にも採取を予定しており、Sr/Ca比の経時的変化について、観察を続ける予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
採取した正確な場所(北緯、東経)が判明している魚が、予定通り手に入らなかったため、結果的に耳石のストロンチウム含有量の測定が若干遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
Na-Iシンチレーションモニターを使用した、魚(all body)のセシウム濃度と耳石のストロンチウム含有量の関連性に関する研究(25年度) 1)材料としては前年度と同様に、様々な地域の魚類を使用する。魚(all body、大きさによっては半分に切断)のセシウム含有値を、Na-Iシンチレーションモニターを使用し、測定する。 2)セシウム測定後、耳石と魚骨を摘出し、ストロンチウム含有量を測定する。 3)測定したセシウム値と耳石や魚骨のストロンチウム値が相関しているかどうかを調査する。また、耳石のストロンチウム値から魚肉のセシウム値を推定する計算パラメーターを求める。 4)さらに、体内へのセシウム取り込みにより心臓や腎臓の微小循環系の血流システムが途絶することが明らかになっているので、内耳を含む血流の測定も実施する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
申請書の記載にもとづき予算を執行していく予定である。
|