研究課題
1)魚体のセシウム濃度測定 様々な海水魚を捕獲し、セシウム濃度を測定した。2013年にいわき市沖で捕獲したタイ(ND(<3.7) 8.7±1.3)とヒラメ(3.6±0.5 7.5±0.7)以外の魚のセシウム濃度はすべて検出限界値以下であった。一方、淡水魚では後述のアユのほかに、今年に入って霞ヶ浦で捕獲したワカサギで、セシウム134濃度で2.9から3.6、セシウム137濃度で8.5から9.4 Bq/kgのセシウムが検出された。2)耳石の微量元素濃度測定による経験環境の把握からセシウム検出の原因を推定 福島県で2013年に捕獲したアユの1匹ごとのセシウム濃度を測定した。セシウム134濃度は5匹で検出限界値以下であり、残り3匹で2.0から2.3 Bq/Kgを示した。セシウム137濃度は4.1から11 Bq/Kgであった。福島産のアユでセシウムが検出された原因については、2つの可能性がある。1つ目は汚染された餌の影響である。もうひとつは、低塩分環境に長期に滞在し、魚体からのセシウム排出が遅れた可能性である。前年度の耳石の分析結果から低塩分環境で生育した場合に低下するとされているSr/Ca比は、福島県と広島県のアユを比較して有意差を認めなかった。福島産アユからのセシウム検出は、セシウム排出の低下が原因ではないと思われた。3)耳石自体のから放射線が測定されるか? 福島産のアユについて、耳石から放射線が測定されるかどうかイメージングプレート画像を分析した。耳石由来の放射線はスライドガラス由来の放射線とほぼ同等で、イメージングプレートで検出できる程の放射能が無かったものと考えられた。4)ガンマカウンターによる耳石の放射線量測定 福島産アユ耳石の推定平均値は0.058±0.013 Bq、広島産アユ耳石の推定平均値は0.053±0.011 Bq で両群とも0.1未満と非常に低かった。
2: おおむね順調に進展している
魚体のセシウム濃度と耳石自体の放射線測定を一通り終了できたので
海水魚の汚染はほぼ終息したが、淡水魚の放射能汚染の長期化が懸念される。そこで来年度も継続して淡水魚のセシウム濃度と耳石の放射線測定を行うことにした。
海水魚の汚染はほぼ終息したが、淡水魚の放射能汚染の長期化が懸念される。そこで来年度も継続して淡水魚のセシウム濃度と耳石のベーター線測定を行うことにしたため、未使用額が生じた。
淡水魚のセシウム濃度と耳石のベーター線測定、および放射性物質の蓄積予防に関する研究を次年度も行うこととし、未使用額はその経費に充てることにしたい。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件)
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