研究課題/領域番号 |
24592572
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
喜多 知子 独立行政法人理化学研究所, 感覚器官発生研究チーム, 研究員 (20362519)
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研究分担者 |
RAJ Ladher 独立行政法人理化学研究所, 感覚器官発生研究チーム, チームリーダー (70392173)
本田 晶 独立行政法人理化学研究所, 感覚器官発生研究チーム, 研究員 (50443023)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 内耳 / 蝸牛有毛細胞 / FGF受容体 / stereocilia |
研究概要 |
まずFGFR1染色像の真偽性を確かめるために、市販の5種類のFGFR1抗体(abcam、sigma、abgent社製)を試した。結果、自作と同一の抗原認識部位(N末近傍)を有する抗体、そして膜貫通領域を抗原部位とする抗体において、stereociliaにおいて染色が認められた。よって、stereociliaにはFGFRIが確かに発現しており、その構造は少なくともIgIドメインと膜貫通領域を保持していると考えられた。 次に有毛細胞の機械刺激受容能を調べる目的で、蛍光色素を用いた実験を行なった。新生仔(P2-5)の内耳器官培養にFM1-43を添加したもの、2週齢マウスにAM1-43(PFA固定用)を投与したもの、どちらもFGFR1 conditional KOマウスとcontrolマウスで差は認められず、有毛細胞は発色した。よって、stereociliaの形態に異常が見られたが、機能はしているものと考えられた。今後研究の機会があれば、ABR検査により長期的に聴覚能を評価したい。 さらに、ニワトリ内耳蝸牛(E10 ; stereocilia形成時期)のpcdh15抗体による免疫沈降実験の結果、filaminA(stereociliaにおいて、pcdh15との相互作用 : Ramakrishnan NA et al, J Biol Chem. 2012)とFGFR1のバンドが検出されたことから、pcdh15とFGFR1は直接もしくはアダプターを介して複合体を形成している可能性が示唆された。 現在、Pcdh15-Tg2742(nul1)マウス(Case Western Reserve Univ. Kumar氏より分与)の解析を検討している。 今回、諸事情により研究の中断申請をさせて頂いたが、本成果をふまえ、次年度新たな内容で研究申請を行ない、FGFR1研究をつなげていきたい。
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