アレルギー性疾患発症の引き金として注目されているIL-33の産生にクロマチンの構造変化にて遺伝子の発現を抑制するSIRT1蛋白が関与しているかを検討するために以下を検討した。 アレルギー性鼻炎患者下鼻甲介粘膜とアレルギー性鼻炎のない肥厚性鼻炎患者の下鼻甲介粘膜を用いた。それぞれの粘膜におけるIL-33とSIRT1の発現量をリアルタイムPCR法にて検討した。 その結果アレルギー性鼻炎患者の下鼻甲介粘膜においてはIL-33発現量が肥厚性鼻炎患者の下鼻甲介粘膜より亢進していた。一方で、SIRT1の発現量はアレルギー性鼻炎患者の下鼻甲介粘膜において、肥厚性鼻炎患者の粘膜より低下していることが判明した。また下鼻甲介粘膜のSIRT1抗体での染色により鼻粘膜上皮にSIRT1の発現が亢進していた。 In vitroの実験としては鼻粘膜上皮細胞を単離することを試みた。手術中に採取した鼻粘膜をHam's F-12 medium supplemented with antibiotics (100IU/ml ペニシリン、100ug/mlストレプトマイシン)で洗い、0.1% protease type XIVを含んだHam培地で16時間 4℃で培養した。 シャーレに付着した細胞を鋭匙で回収し洗浄後1well 1*105個/2mlでコラーゲンコートした6wellのdishにまき37度でHam F-12培地で培養した。 現在上皮細胞であることを確認した。
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