研究課題/領域番号 |
24592577
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
鈴木 元彦 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50326138)
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研究分担者 |
飛田 秀樹 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00305525)
中山 明峰 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30278337)
中村 善久 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90360023)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | アレルギー / siRNA |
研究概要 |
近年、新しい治療手段としてRNA干渉が注目されている。RNA干渉はsiRNA(small interfering RNA, short interfering RNA)という21-23bp塩基対の短い合成二本鎖RNAによって惹起されるが、この現象を利用することで特定の遺伝子の発現を抑制することが可能となる。私たちはsiRNAの性質上アレルギー疾患の治療に応用できるのではないかと考え、アレルギー疾患に対するsiRNAの有用性について研究してきた。その結果、CD40 siRNA発現ベクター(CD40 shRNA)の全身投与がアレルギー反応や症状を抑制することを証明した。しかし、CD40 shRNAの全身投与は予期せぬ副作用を引き起こす危険性がある。従って、shRNA局所投与による治療法の開発が必要である。本年度はCD40 shRNAの点鼻投与によって鼻アレルギーが制御できるかどうかを検討した。一次免疫としてスギ花粉抗原を免疫、点鼻して鼻アレルギーモデルマウスを作製した。二次免疫としてCD40 shRNA点鼻投与群、コントロールshRNA点鼻投与群、PBSのみ点鼻投与群の3群を作製して比較した。その結果、CD40 shRNA点鼻治療はコントロールshRNA点鼻投与群とPBSのみ点鼻投与群のコントロール群と比較して有意にくしゃみや鼻掻きの回数、抗原特異的IgE抗体価、Th2サイトカイン産生を抑制した。すなわちCD40 shRNAの点鼻療法が有用である可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
細胞培養時に感染が認められたため研究の達成が遅れた時期もあったが、その後研究に費やす時間を増やしたことやその後の研究が順調であったため、ほぼ予定どおりの研究ができたと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
今後はshRNA点鼻局所免疫療法でなくsiRNA点鼻局所免疫療法の検討を行う予定である。具体的にはsiRNA(CD40 siRNA、IL-5 siRNA、RANTES siRNAもしくはSTAT-6 siRNA)の点鼻投与によって鼻アレルギーが制御できるかどうかを検討する予定である。一次免疫としてスギ花粉抗原を免疫、点鼻して鼻アレルギーモデルマウスを作製する。二次免疫としてsiRNA(CD40 siRNA、IL-5 siRNA、RANTES siRNAもしくはSTAT-6 siRNA)点鼻投与群、コントロールsiRNA点鼻投与群、PBSのみ点鼻投与群の3群を作製して、3群間にてその効果を評価する。
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次年度の研究費の使用計画 |
アレルギー性鼻炎モデルマウスにsiRNAを点鼻してsiRNAの効果を判定するため、数多くのマウスが必要である。またスギ花粉特異的IgE、IgG1、IgG2a、IgG2bをELISAで測定したり、脾臓、頸部リンパ節と鼻粘膜よりリンパ球を採取しスギ花粉で分泌されるサイトカイン(IL-4、IL-5、IFN-gamma等)をELISAで測定したりするために抗体、細胞培養液、ピペット器具、FBS等が必要である。さらに、脾臓、頸部リンパ節と鼻粘膜におけるFoxp3の発現をReal-time PCRにて調べるためにprimerが必要である。これらマウス、抗体(IgE、IgG1、IgG2a、IgG2b、IL-4、IL-5、IFN-gamma等)、細胞培養液、ピペット器具、FBS、primer購入に研究費を使用する予定である。また学会発表等においても研究費を使用する予定である。
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