研究課題/領域番号 |
24592577
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
鈴木 元彦 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50326138)
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研究分担者 |
飛田 秀樹 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00305525)
中山 明峰 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30278337)
中村 善久 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90360023)
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キーワード | siRNA / アレルギー性鼻炎 |
研究概要 |
RNA干渉は二本鎖RNAと相補的な塩基配列をもつmRNAが分解される現象で、この現象を利用することで特定の遺伝子発現が抑制できる。RNA干渉はsiRNA(small interfering RNA)という21-23bp塩基対の短い合成二本鎖RNAによって惹起されるが、siRNAを応用することにより安全で効果的な根治療法の可能性が示唆されている。私たちはsiRNAの全身投与がアレルギー性鼻炎を抑制することを証明したが、siRNAの全身投与は予期せぬ合併症を引き起こす可能性がある。そこでsiRNA局所療法による治療法の開発が必要である。本年度はCD40 siRNA、IL-5 siRNの点鼻投与によって鼻アレルギーが制御できるかどうかを検討した。まずスギ花粉抗原を免疫、点鼻してアレルギー性鼻炎モデルマウスを作製した。また、治療薬としてCD40 siRNAもしくはIL-5 siRNAを点鼻投与した。その結果、CD40 siRNAもしくはIL-5 siRNAを点鼻投与が有意にくしゃみ・鼻掻き回数や鼻粘膜中好酸球数を抑制した。すなわち、CD40 siRNAもしくはIL-5 siRNAの点鼻投与が有効である可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CD40 siRNAやIL-5 siRNAの点鼻投与によってアレルギー性鼻炎症状や鼻粘膜中の好酸球浸潤が抑制されることを証明できたため。
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今後の研究の推進方策 |
RANTES siRNAもしくはSTAT-6 siRNAの点鼻投与によってアレルギー性鼻炎が制御できるかどうかを検討する。またCD40 siRNA導入抗原特異的制御性樹状細胞(CD40ノックダウン抗原特異的樹状細胞)の点鼻投与によってアレルギー性鼻炎を抗原特異的に治療しうるかを検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度に研究達成の遅れがあったが、その後研究に費やす時間を増やしたこともあり、かなり遅延を回復することができた。しかし、まだ最初の予定と比べると少し遅れている。 平成26年度において研究に費やす時間を増やすことで、最終的には予定通りの研究を施行することができる予定である。具体的には実験動物、抗体等の購入で使用する予定である。
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