妊婦(30名)に対し、妊娠初期・中期・後期・分娩後の4回連続で嗅覚・味覚の継時的変化を検討した。妊娠初期(つわり期)は、においや味の感度や好みの変化を自覚する人が多かったにもかかわらず、基準嗅覚検査・電気味覚検査では継時的な有意な変化は見られなかった。濾紙ディスク法では、他の時期と比べ妊娠初期に甘・塩・苦味の感度が低下したが、酸味は不変だった。 味覚関連微量元素では、血清亜鉛は妊娠初期から漸減し分娩後に回復、鉄は妊娠が進むにつれ有意に低下したが基準値内に留まり(鉄補充者を含む)、銅は妊娠が進むにつれ有意に上昇し分娩後に基準値に戻った。
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