研究課題/領域番号 |
24592591
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
成田 憲彦 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (80345678)
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研究分担者 |
松本 英樹 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 准教授 (40142377)
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キーワード | PCBP4 / G2check point abrogation / 頭頸部癌 / シスプラチン / Cdc25A |
研究概要 |
頭頸部癌(上顎癌)細胞株IMC3からシスプラチン高度耐性株IMC3CRを樹立した。フローサイトメトリーの結果、IMC3CRをシスプラチン処理すると、野生株に比べて優位にG2/M arrestが誘導されアポトーシスが回避されている可能性が示された。またPCR arrayの結果から、IMC3CRにシスプラチンを添加した際に、POLY(rC)-BINDING PROTEIN 4(PCBP4)の発現が2倍以上に増加する事を見出した。PCBP4は複数種の癌においてG2/M arrestを誘導するとの過去の報告から、この分子の高発現がIMC3CRにおいてシスプラチン処理後、G2/M arrestとその間のDNA修復を誘導し、アポトーシス回避に寄与すると考えた。PCBP4の機能解析のためRNAiによりPCBP4を抑制し、MTT assayを施行した。その結果、PCBP4を抑制することで、シスプラチン処理後のIMC3CRの細胞生存率は約1/2に著明に減少することが解った。次にPCBP4を強制発現するベクターを作成し、野生株IMC3にトランスフェスフェクションした。得られたPCBP4強発現株において、MTT assayを行うと、強制発現株はIMC3CRと同程度のシスプラチン耐性を獲得していることが明らかになった。またRNA免疫沈降法によりPCBP4がCDC25Aに結合して、その発現を抑制し細胞周期をG2/Mで停止させることが解った。このことからPCBP4はCdc25Aを介して頭頸部癌シスプラチン耐性において重要な働きをしており、この分子を抑制することでシスプラチン耐性頭頸部癌に対する分子標的治療に発展できると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画通りにデータが蓄積されている状況である。現在論文を学術誌に投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
手術時に採取した頭頸部癌標本を用いて免疫染色を行い、in vivoでPCBP4の発現を検討する。またその発現の程度と予後、再発率などの臨床データとの関連性を統計学的に解析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
RNA免疫沈降法による実験が予想よりも順調に進み、キット、抗体などを追加購入する必要無く低予算でデータを得ることができたため。 頭頸部癌標本での免疫染色に必要な試薬に使用する。また現在投稿中の論文に追加データが必要な場合は、これらの実験に使用する計画である。
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