頭頸部癌アウトカムリサーチを行うためのタブレット端末を用いたQOL調査アプリケーションソフトウェアに関するユーザビリティテストを実施した。本テストの目的は、タブレット端末を用いたQOL調査アプリケーションソフトウェア(以下、アプリ)のプロトタイプA・Bに関して、アプリのコンテンツへの認識とユーザビリティを評価し、本アプリの改善点を確認することであった。本テストは、我々が試作した タブレット端末用の2種類の健康情報質問調査アプリを実際に頭頸部癌患者に使用していただき、質問項目の認識の程度、アプリの使い勝手や使用時間、デザインの好みなどを研究参加者の皆さんに評価してもらうという観察・インタビュー・アンケート調査であった。プロトタイプAは、質問項目が1つずつ画面に現れ、項目に回答しなくても調査を終了することが可能であるよう作成された。プロトタイプB は、原本の紙面のQOL調査票そのままのデザインであり、すべての質問項目に回答しないと調査終了にならないよう作成された。適格条件に該当する患者にテストへの参加を説明するものの、参加者を十分集めることは困難であった。高齢者においては、タブレット端末の操作自体に違和感を感じるとの意見もあった。アプリのさらなる改良が必要であると考えられた。
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