• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

高解像度内圧計を用いた正常および喉頭麻痺患者の嚥下動態に関する基礎的臨床的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24592602
研究機関熊本大学

研究代表者

鮫島 靖浩  熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (50206009)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード嚥下圧 / 高解像度内圧計 / 嚥下リハビリテーション / 喉頭麻痺 / 嚥下機能改善手術
研究実績の概要

「正常ボランティアに対する正常嚥下圧測定およびリハビリテーション手技による嚥下圧の変化」:嚥下圧伝搬曲線は軟口蓋部から頸部食道までの嚥下圧ピークの時間的推移を表したもので、嚥下障害患者の病態評価に有用であるが国際的な報告はない。正常ボランティアで行った高解像度内圧計(HRM)のデータから嚥下圧伝搬曲線の正常値をもとめ、その臨床応用の可能性について米国喉頭科学会(2014年5月15日)で発表した。
リハビリテーション手技のうち「強い息こらえ嚥下」は声門閉鎖を強化する嚥下法であるが、正常ボランティアの検討では、食道入口部の最大内圧や平圧化には影響を与えず、軟口蓋部、中下咽頭部の嚥下時最大内圧を上昇させた。これから「強い息こらえ嚥下」は誤嚥防止だけでなく、食塊の残留除去にも有用なことが明らかとなり、第59回日本音声言語医学会(2014年10月9日)で報告した。
Chin downとよばれる頸部を前屈する姿勢は、頭部・頸部の位置により各部位の嚥下圧が異なることが判明した。頭位・頸位を詳しく分類して平成27年度以降の基盤研究で解明することとした。
「一側喉頭麻痺患者における嚥下圧測定とリハビリテーション手技の効果」:一側喉頭麻痺で下位脳神経麻痺を伴う例をHRMで解析し、嚥下機能改善手術で改善後に再度測定して比較した。術前は軟口蓋部から中下咽頭圧の著明な圧低下があり、術後は食道入口部の静止時圧が低下し中下咽頭圧の上昇がみられた。このことは食道入口部の通過の改善だけでなく、食塊を送り込む圧も改善することを示しており、第38回日本嚥下医学会(2015年2月6日)で発表した。
以上から、正常ボランティアの検討からHRMの各パラメータの正常値、嚥下圧伝搬曲線の正常値、強い息こらえ嚥下の効果が判明し、一側声帯麻痺患者では治療前後の圧変化から治療の評価が可能となった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 嚥下機能の評価法の検証 嚥下圧測定検査:ハイレゾリューションマノメトリー2015

    • 著者名/発表者名
      熊井良彦、松原慶吾、鮫島靖浩、湯本英二
    • 雑誌名

      嚥下医学

      巻: 4 ページ: 58-62

  • [学会発表] 高解像度マノメトリ―による嚥下機能改善手術の評価2015

    • 著者名/発表者名
      鮫島靖浩、松原慶吾、讃岐徹治、亀之園佑太、兒玉成博、湯本英二
    • 学会等名
      第38回日本嚥下医学会ならびに学術講演会
    • 発表場所
      福島 コラッセふくしま
    • 年月日
      2015-02-06
  • [学会発表] 正常者における嚥下圧基礎研究とその臨床応用2014

    • 著者名/発表者名
      熊井良彦、鮫島靖浩、松原慶吾、湯本英二
    • 学会等名
      第66回日本気管食道科学会総会ならびに学術講演会
    • 発表場所
      高知市 高知県立県民文化ホール
    • 年月日
      2014-11-13
    • 招待講演
  • [学会発表] 強い息こらえ嚥下が嚥下圧動態に及ぼす影響について ―2.64mm径高解像度マノメトリ―を用いて―2014

    • 著者名/発表者名
      松原慶吾、鮫島靖浩、熊井良彦、湯本英二
    • 学会等名
      第59回日本音声言語医学会総会・学術講演会
    • 発表場所
      福岡市 アクロス福岡
    • 年月日
      2014-10-09
  • [学会発表] Conduction curve and velocity of swallowing pressure in young healthy adults.2014

    • 著者名/発表者名
      Matsubara K, Kumai Y, Samejima Y, Yumoto E
    • 学会等名
      American Laryngological Association 135th Annual Meeting
    • 発表場所
      米国 ラスベガス Caesar's Palace
    • 年月日
      2014-05-15

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi